令和5年11月5日 日曜日 晴れ 田川郡福智町武道館(金田1313番地1)
行者:木霊丸氏・千手丸氏・千木丸氏・弦音丸氏
稽古内容 体術総合・体術護身・護身得物
・首の鍛え・体の鍛え
・護身得物術:豊前福光派古術
元手・小太刀:藤一文字・肩車・肩担
口伝:鎌掛け・裏崩し、護身用・揚突甲羅返・後羽根蹴
・豊前福光派古術:組討稽古:
横掛横捨身・払車・腰車・鉢返・鉢落
・受け返し 各自フリー5種稽古 60秒×8R
・突っ込み、円掛かり 30秒×2
・鍛錬手合L1 木霊丸氏・弦音丸氏各60秒 2分2R VS千手丸氏
累計:千手丸氏32R、千木丸氏8R、八咫丸氏・19R、弦音丸氏5・5R、上羽丸氏3R
風門館事務局 0947・32・3550 kirara.1958ss@gmail.com 代表福光まで。
大会前夜でも無いが、今日が、大会前、最後の稽古だから、気分としては、大会前夜という感じになる。
選手もそうだろうが、指導者も緊張する。他のスポーツと違って、コンタクトスポーツは、負けが単なるゲームの負けで終わらない場合がある。
事故が一番怖い。自分が試合に出ていたときよりも、最近の方が、より怖くなってきている。無事に帰還させるために、一つずつ穴を潰すように稽古をしてきたが、終わるまで、緊張する。
しかし、稽古の流れとしては良かった。最後の一週は、選手のやりたい稽古をした方が良い。今更、新しい技をやったところで身につくものでもないから、最後の稽古は、体調とメンタル管理が大事だ。
心地よい稽古で終わること。それが、全てだ。そういう意味で、流れとしては良かった。
千手丸四段も、今や師範補。本来なら、指導する側の人間だから、本日の稽古は、任せた。最後に自分で穴を潰す作業。それで良い。人手不足の風門だが、木霊丸師範と弦音丸1級も出てくれてきたので、ありがたかった。
競技武道は、一人での稽古はなかなかなか出来ない。稽古相手がいて成り立つ稽古が多いので、弦音丸氏の復帰は助かった。
一方、肩を壊している千木丸二段には、木霊丸師範と一緒に、小太刀の稽古をしてもらった。
風門館で教えている組討、護身用の手は、90%が古術由来だ。だから、肩を壊しているとき、体調が優れないときなどは、古術の出来る稽古をすればよい。体の使い方・歩法・体捌きなどは、共通しているので、これが、先々、拳法体術にも生きてくる。
おおよそ、武道修練をしていれば、万全な体調の時は、むしろ珍しい。特に、日本拳法道のような乱取り中心の稽古体系の武道は、常にどこかが壊れているのが常態だ。
壊れたからと言って、休んでいたら、少しも先に進めない。壊れている時には、壊れていないところを集中的に稽古する。
そういう積み重ねが、総合ルールの中で生きてくる。
古術の小太刀は、歩法・体捌きを身につける上で優れている。こういう時、日本拳法道と鎌倉古流福光派併伝の風門館は、間口が広い。
総合武道というのは、山登り似ている。登り口は多様だが、山頂は一つだ。小太刀から入っても、体術が使えるようになる。それが分かるまで、最低でも、10年ほどはかかるが、わかり始めると面白くなる。
また、得物と体術によって、微妙に技を変えるところなどに先人の知恵の集積を見る。そこらあたりが、武術の魅力だと考えている。
さて、いよいよ来週は、福岡武道館。
コロナ以来、4年ぶりの開催。このコロナの期間にも、よく続いたなと思う。緊急事態宣言の度に、公共施設が閉鎖されて、断続的に稽古が中止。それでも、現有、7名。しかも、平均年齢は高いが、皆、組手など、そこそこ出来る。
拳法は、千手丸四段がいるので、指導を任せられるし、護身用も木霊丸師範がいるので、任せられる。
よく育ったし、よく育てたと思う。
福光雲母。当年・65歳。後、10年は自分なりの稽古をしたい。本日も、それぞれの気持ち・本音を確認した。私には、適当に言いつくろうものや、本音を話さない人間が一番困る。各自それぞれの目標、目的を分かっているからこそ、その人のために沿ったメニューが組める。
そこが分からない人は、風門館では長続きしない。風門館の稽古は、さほど激しいものではない。強くなること。上手くなること。それ以上に長く続けること。続けられることに特化した道場だからだ。本質的に目指しているのは、生涯武道だ。
大会参加も、40歳以上には、強制など全くないし、逆に出たいという人を止めることも無い。全ては、自分で決め、自分で責任を取る。
自己責任を重んずる。それが、風門士道だと説明している。そのある意味の厳しさを分からない人間も多いが、千手丸師範補のように分かった上でやる人もいる。であるならば、とことん付き合う。
なんにせよ、後1週間。4年振りの福岡武道館。