https://www.youtube.com/watch?v=ko_56FM7zh0
風門館粛々。風雪に耐え忍びて、黒帯・武舞するの時に。田川郡福智町武道館。2022・10・13
11月27日の風門祭に備えて、9月から二ヶ月間の鍛錬手合集中特練に入っているが、最後の組手の時のみ、普段より当たりの強い組手をしているだけであって、稽古メニューは、普段と変わらない。
護身用の拍子取りも必ず一手行うし、組み討ちも稽古する。
風門館にとって、試合は、文字通り、<試し合い>だから、ルール内におけるゲームとしての勝敗には拘りはない。勝てば喜ぶし、負ければ、反省し、対策を練る。
淡々と稽古し、粛々と行ずる。
普段と何も変わらない。毎年、やることも変わらない。春夏秋冬。季節が巡るように、この2ヶ月だけ、鍛錬手合をこなす。
それで、3年たったら、黒帯となっている。
風雪に耐え、というと、大袈裟なと言われるが、始めた年が46歳だ。入ったときは、若手の黒帯やら、歴戦の他流試合荒しの、引退者やら、プロを目指す出稽古組みやらと、拳を交え、ぼこられる。
それをしのいでの黒帯だ。千木丸氏の話をしている。
千手丸氏も、30代の頃、他流の猛者ばかりと稽古して、ぼこられながら、這い上がってきた。
49歳の新初段と45歳の三段が、L2で対峙している。
3年目の初段にしては、基本通り正確な直突きが出ている。
二人とも、立ち姿が美しい。やはり、畳の上には、黒帯が映える。
白い道着・黒い帯・青い畳。
モノトーンの世界で、緊迫感が伝わる。どちらもカウンターを狙っているから、じりじりとした時間が続く。
ちょっとした映画のワンシーンにも引けをとらない。
この緊迫感・この無駄をそぎ落とした、音の無い世界。
ある種の水墨画に似ている。
美・だと思う。
風雪に耐え忍んで、黒帯を締めた者同士の気迫が交差する。満足のいく世界だ。
この緊迫感がやはりたまらない。我々、草莽であっても、やる側の人間としてのプライドがここから生まれる。
俺たちは、草の根アマチュアであっても、やる側の人間だ。ただ見る側の人間にはいたくなかった。
だから、こちら側にいる。
あなたは、どうするんだろう。川の向こうで、誰が強いとか、弱いとか評論ばかりして、生涯を終わるのか?
たかが、防具だよ。誰でも出来る稽古しかしてないよ。多少の風雪に耐えるだけだよ。
来いよ。こちら側へ。46からでも出来るんだよ。風門館がそれを証明しているし、そういう稽古体系を持っているんだよ。
届くかな。この声が。
俺たちは待っている。仲間を。川を渡りたい奴に渡り方を教える。安全に、確実に渡れる方法を俺たちは知っている。
それを伝えたくて、俺たちは粛々と稽古している。
風門館事務局。0947・32・3550。代表福光まで。