日本拳法道連盟・豊前福光派古術連盟 風門館公式ブログ

田川・筑豊・北九州・行橋  護身術・日本拳法道・グローブ空手・総合格闘技・総合武道 風門館HP http://www5.atwiki.jp/wotoko/

風門之儀2022。誰でも取れるのに、誰でも取れない黒帯の謎。

www.youtube.com

 

https://www.youtube.com/watch?v=DpRLaf3BpyY&t=10s

 

風門之儀2022。誰でも取れるのに、誰でも取れない黒帯の謎。

 

私は、いつも、日本拳法道の黒帯は、週1回・2時間の稽古を丁寧に積み上げれば、誰でも取れると言っている。嘘ではない。

 

と同時に、取れそうで取れないのが日本拳法道の黒帯だとも言っている。これも嘘ではない。

 

入門したての、新人は、この人何を言ってるんだろういう顔をするが、黒帯近くなると、その意味が分かるようになる。

 

風門館では、茶帯までは、強度の強い組手はさせないが、茶帯を取ってから、黒帯を取るまでの1年間。やや、強度の強い組手をさせる。

 

とは言っても、年に2~3回ある昇級審査の時と、秋の大会シーズンの時に取らせる数本に過ぎないのだが、概ね、この強度の強い自由組手で、大半が消えていく。

 

それで、風門館では、一般で言う自由組手を、わざわざ、「鍛錬手合」と呼んでいるわけである。

 

私にとっての重要テーマは、生涯武道であるから、継続性のない稽古を門人に強いる気持ちは全く無い。しかし、同時に、わずか1年ほど、しかも、年に数本ほどの打ち抜きレベルの組手が、嫌で辞めるようなら、人前で黒帯ですとは言えないのではないかという気分もある。

 

風門館では、40歳以上を壮年部と呼んでいるが、40代の間に、黒帯になるなら、多少の痛い目も経験して良いのではないかと考えている。

 

一年中させるなら、無理もあろうが、年に10本もいかない程度だ。普段は、笑顔の出るマススパーしかさせないので、この10本も耐えられないという人には、さすがに日本拳法道の黒帯を出す気にはなれない。

 

50代以上には、マススパーしかさせないので、逆に言うと40代は、打ち抜きの怖さを知る最後の機会とも言える。

 

風門館では、黒帯・初段は、指導員補である。ここからは、上位の有段者がいない場合。初段であっても金を取って教えるシステムを取っている。指導料1回・500円とは言え、払う側からすると、月4回来れば、2000円であるから、一般の空手道場と比べてもさほど安くはない計算になる。これに場所代200円をプラスすると、月4回で、2800円。

 

月3000円で教える武道道場は案外と多い。

 

つまり、黒帯には、それだけの資格と同時に責任も生まれるということだ。

 

特に、指導員になって、若者が入門してきたとき、誤った技術・誤った考えで指導するとその若者が、大会に出た時、大きな事故につながる可能性がある。

 

日本拳法道連盟は、強さを売り物にするような団体ではないので、殊更に他流の批判もしないし、組織として、勝利至上主義でもない。

 

だが、大会そのものは、フルオープントーナメント制であるから、ガチガチのつぶし合いで、かつ、ポイント勝ちより、KO狙いの他流試合をする。

 

防具付きだと思って、舐めていると、深刻な事故を引き起こすので、私は、自分が現役の頃より、今、指導者として門中をコートに送る時の方が緊張する。

 

現役の頃は、試合の前日など、嘘みたいに眠れるのだが、最近は、自分が出ないのに、前日、怖くなって家の前の貴船神社に無事帰還を祈る。そして、寝付きが悪い。

 

今回の、昇段審査でも、宗家の指導は、千木丸初段が、指導員になることを前提とした口伝が多かった。

 

やはり、「先生」も事故を起こさないことが常に念頭にあるのだと改めて感じた。他流試合をしてなんぼの日本拳法道だが、決して勝利至上主義ではない。最優先は、敢闘し、かつ無事に帰還することである。

 

他流試合を好むのに、勝つことより無事に帰還すること。かつ、敢闘すること。この日本拳法道連盟のDNAは、本来、「路上での護身実用」を念頭に開発された原点でもある。

 

究極の目的は、「護身実用」にある。対複数も想定してるから、寝技を敢えて10秒制限とし、立ち技・打撃中心の総合武道を作ったのである。

 

話しは、横道にそれたが、千木丸新初段。入門以来、けっこうえげつない鍛錬手合を行ってきた。

 

それに耐えての3年間。その結果としての黒帯だから、帯の重さも重々承知していると思う。

 

49歳では、このレベル2(面当て止め・他フルコンタクト・打撃のみ)でも、かなりきつい。さらに、ここ最近は、レベル3・4と何本か取っているので、初段・黒帯として恥ずかしくない経験値を持っている。

 

しかし、後半年ほどで、50歳になると言うことなので、50歳からは、マススパーで十分だと思う。

 

帰りの車中で、「辞める勇気」も必要だと言っているので、今後の乱取りは、目慣らし程度でいいのではないかと考えている。

 

私の構想は、

 

40歳以上50歳未満の壮年部は、大会NGで構わない。ただし、茶帯以上は、レベル4にまで到達して黒帯となることを目指す。

 

50歳以上壮年部黒帯は、55歳までは、レベル1.7で闘える鍛錬を目指す。また、「風門祭男子壮年変手之部」に出る出ないは別にしても、出るつもりで普段の稽古を行うよう心がける。

 

55歳以上壮年部黒帯は、「防具納之儀」を最後に、防具乱取り稽古をやめ、専ら形稽古と後進の指導にあたる。

 

思いつきのまま書いているが、一つの目安になると考えている。

 

風門館事務局 0947・32・3550 代表福光まで。