令和2年12月13日。日曜日。午前の部。晴れ。田川郡福智町武道館。
行者:千手丸氏・千木丸氏・A氏。顧問雷電師範。
講師 日本ボミナム協会九州本部長・宮本先生。
前半 豊前福光派古術素手第二法:取手 手捌五法とその応用。胸取返5種
先般行われたボビナムの大会で、千手丸氏が型の部で銀賞を受賞。そのメダルを、わざわざ、宮本先生が、福智町武道館まで届けに来るという知らせを聞いて、急遽、ボビナムの講習会を開くことにした。
講習会の今後の展望や感想などは、別に書く。
前半は、千木丸氏に先週手捌き五法を伝えたので、今週もそれをすることにした。宮本先生も参加され、いつもと違った華やいだ気分になった。
古術では、体術を間合いによって、五法に分類している。普段、風門館が稽古しているのは、そのうち、日本拳法道ルールで使える第三法組討・第四法腰取・第五法掻取の3種類である。
ただし、組討がなかなか進捗しない。組討初伝花手12本のうち、6本ほど覚えた段階で大半が辞めて行くので、いつも稽古の前半は、四本目までの稽古で終始しているのが実情である。
護身用には、第二法取手が良いのだが、これも、基本からやるとなかなか時間がかかるので、シーズンオフの冬場に、少しずつ伝えるようにしている。
特に手捌きは、当身・組討などにも必要な基本技術なので、参加メンバーを見ながら、この取手の稽古をしていく。いわば風門の冬の風物詩である。
この手捌きによる手首の使い方が分からないと古術の全ての技が理解できない。実は、重要だが、根気の要る作業でもある。
ただし、この稽古は楽しい。競技志向ではないメンバーに取っては、この冬場の稽古の方が楽しいと感じる。そういう内容である。
これで、芸法を楽しむ感覚も覚え、春から秋にかけては、競技中心のそれなりにハードな生活に戻る。
農作業に似ているかも知れない。
このサイクルを繰り返しながら、風門のメンバーは成長していく。その典型が、千手丸氏であろう。
ボビナムの型(最も基本の型らしいが)で銀を取るというのは、13年くらい私の下で、芸法手練を繰り返し、練り返して、武術的な身体の使い方が出来ているから、それが、ボビナムの型にも生かされたのでは無いか思う。
冬は富ゆ(フユ)とも言うらしい。寒さに耐えながら、地道に御道の修練を練り続ける。その根気の土壌の上に大輪の花が咲くのだと後に続く千木丸氏やA氏にも伝わって欲しいと願っているところである。