令和2年12月19日。土曜日。午前の部。風門館本部道場。
行者:木霊丸氏。
稽古内容 得物護身。
豊前福光派古術得物第一法・元手:変手勝三本目:舞々
気まぐれだが、突然、舞々をやりたくなったので、それを稽古する。木霊丸氏にとって、古術芸法の全てを完璧にこなすような学び方より、ある程度。前後しながらでも、全容を知るべきの頃では無いかと判断した。
私が、27歳の時に、皆伝を受け、道統を継いだときも、技は、未熟そのものであった。しかいs、取りあえず、道統を継ぐと言うことを優先させられて、16世守人になったが、恥ずかしくて人には言えないという自覚はあった。
しかし、今、振り返ってみると、その段階で、全容を知っていたので、その後、他流の修行や他流試合をする中で、気づくこと。思うことが多々あった。
基礎・土台を作ることも重要だが、思い切って、完成した全容を知ってから、細部に取り組むというやり方もある。
木霊丸氏も、そういう段階に来ているということであろう。
さて、舞々だが、これは、峰返しで有り、さほどの技でもないが、舞々と書くことで、外に漏れても、内容が分からないように出来ている。これを文字隠しという。
と同時に、古術の根本原理である、螺旋・渦巻き・勾玉の原理を示している。
この舞々の原理が、元手でも、当身でも、同様に使われる。<一即多・多即一>
<一神は万神を生じ、万神は一神に帰一する>
この古術のこの世の実相を表す思想・信仰文化の根源も芸法の真理から生まれている。
形には意味がある。舞々とは、関東では、蝸牛をさすが、あの蝸牛の螺旋に、この世の実相があると古術者は考えた。
ところで、関東の方言が何故に九州に。と言う疑問が当然生まれるが、私にも分からない。単に舞舞の意味があって、その後、それが関東方言では蝸牛であるから、そこから螺旋の動きに結びつけたのか。
あるいは、江戸の頃より、関東方言に対する知識があったのか。もしくは、明治以降のことなのか。
古術は、いつも謎が多いから、飽きない。
この日の口伝。鷺立・鳥餅・鳥餅稽古。