日本拳法道連盟・豊前福光派古術連盟 風門館公式ブログ

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果無村。高天原思想と古術。


天空の郷、奈良県十津川村 果無集落 (世界遺産) Hatenashi Settlement

 

 https://www.youtube.com/watch?v=Ydv430QePww

 
実は、古術には<高天原>思想というのがある。これは、重複的で、重層的であるために、簡単に説明できないが、今回は、具象としての<高天原>思想について、記す。
 
古術では、樹木のない山の頂や尾根道、高原地帯のようなものを指して、具体的に<高天原>と称し、そこへの、帰郷の恋慕はすさまじいものがある。
 
どうして、そうなのかはわからないが、湿気の多い土地、まむし・むかでのいる土地を嫌い、乾いた高原地帯に憧れを持っている。
 
もともと、豊前福光党の住まう九州豊前香春福光谷は、文字通り谷で、湿気が多く、別名、マムシ谷と呼ばれるくらい、湿度が高い。
 
子供の頃から、そういう土地が、私も嫌いだったが、よく考えると嫌いになるように教えられたと言うか、育てられた面も多々ある。
 
では、どういう土地が良いのかというと、香春岳の山頂や、福智山の尾根道、平尾台など、乾いた高原上の土地が良いとされていた。
 
住むのは、難しいが、そういう土地で風に吹かれることが、禊ぎになるというのが、古術の<高天原>思想の中核をなしている。
 
繰り返しになるが、それは、現実の福光谷が、湿気の多い土地だったから、反語的に生まれた思想なのだと思っていたが、この映像を見て、考えが変わった。
 
先祖は、いたのだ。過去に、こういう土地に。だから、そこのイメージが、強烈に具象性を帯びているので、映像を見た瞬間に、ここが、古術の<高天原>だと、すぐにわかった。恐るべし。古術式、執念の教育。
 
十津川に憧れる気持ちは、抽象ではなく、具象なのだと、この果無村で悟った。
 
それにしても、いい名前だ。果無村。いつか訪ねてみたいものである。