その際、何で整えるのかというと、やはり、形の修練に尽きる。風門は、だいたい、試合をしても綺麗だと言われる。綺麗というのは、結局、バランスの崩れがないことだと認識している。
立ち技之場合。フォームとバランスが崩れると美しくない。日本拳法道ルールのような乱打戦の場合。特に、そこが顕著に表れる。乱れているのに、乱れていない。立ち姿の美しさ。
これは、ひとえに形の修練によってもたらされる。風門は、日本拳法道形を重視しているので、<形の風門>と呼ばれるくらい稽古を重ねる。
形を増やすのは簡単だが、わずか36本に煮詰めるのは、難しい。恐らく、宗家の最大の功績では無いかと思う。
この36本をやり抜けば、日本拳法の形・KBのコンビネーションなど見ただけで理解できるようになる。ある意味。恐ろしいくらいの秘伝である。
だから、風門も日本拳法道形の動画をUPすることはない。
我々、風門は、年二回。昇級昇段審査の折りに、全員で、宗家から直伝で、形を習い修正を受ける。そして、少しずつより奥の深い口伝を受ける。
ここらへんの伝授の仕方は、やはり古典武道的と言える。
今回も細かい口伝を受けた。ちょっとしたこつ。それがいわば秘訣で有り、昔なら秘伝だったんだろうと思う。そのちょっとしたこつを知るか知らないかで威力が違い、当たる確率が違ってくる。
実戦なら、それが生死を分けるかも知れないし、競技なら、勝敗を分けるかも知れない。
無論。5段の私と3段の千手丸氏と初段を受けた常磐丸氏では、理解の程度が違うことは想像に難くない。
ここらへんのぞくぞくとする感じが分かるまで、相当の年月を要する。
緊張のあまり、わずか2分の手合いにも関わらず、1分しかもたない。後半の息の乱れが見苦しいが、これも経験なのである。
試合とは、また違った重さ・息苦しさ。経験したも者にしか分からないだろう。