https://www.youtube.com/watch?v=YEBlD0thaFQ
風門之儀2021。修身とは何か?48歳&46歳の鍛錬手合L2から。
田川郡福智町武道館。
風門館は、「護身・健身・修身の三位一体を図る」ことを目標に掲げて、週一回2時間。稽古をしている。
護身と健身は、分かりやすいのだが、「修身」が、曖昧模糊として分かりにくい。
「修身」。文字通り、身を修める。我々は、凡夫なので、難しいことを要求しているわけではない。
ただ、週一回、確実に稽古に来ること。それが、出来ること。それが、風門の求める「修身」である。
それだけかと、思われるかも知れないが、この、日曜日。毎週。午前2時間の稽古。これを続けるのは、生やさしくはない。
1年・2年は続く。しかし、3年となるとなかなか、難しい。3年で初段。
二段は、4年で取れる。
え?4年で2段?簡単に見えるだろうが、そう容易では無い。
まず、基本的にはだが、日本拳法道連盟では、40歳未満の者で、秋の福岡武道館大会のコートに一度も上がったことのない人間には、黒帯を出さなかった。
しかし、組織が脆弱になったので、今は、福岡武道館に上がったことのない、30代以下でも、初段は出すが、二段になると、基本出さない。
それで、大半がやめていく。
防具付きで大袈裟なと言われるが、現実問題そうなのだ。
防具を着けて、安全性を確保しているといいながら、それは、あくまでも、他の過酷なルールに比べたら、安全といっているのであって、けっこう、事故も起こる。
3年目くらいになると、そういうのがだんだん分かってくるから、福岡武道館のコートに上がらないまま、去って行く。
それ以前に、40代でも、慣れてきたら、このL2は、けっこう取らせる。
40代での、L2は、かなり過酷だ。見た目では、理解できないが、面当て止めでも、かなり当たるから、頭に、ずんと来る。
他は、フルコンタクトだから、手・足に、あざが出来るのは当然であって、気にしたこともない。結局、そういう世界になってしまう。
となると、酒が飲めない。女遊びとか、賭け事とか、まったく、無理だ。
仕事をして、家庭があって、田舎には、これに村の付き合いが加わる。この中で、稽古前に酒を飲まずに現役を引退するまで、耐えてゆく。
その時点で、強制的に「修身」が出来る。芸法修練を通して、「修身」がなるという側面もあるが、むしろ、「修身」出来ない人間には、芸法は無理という側面がある。
段は、強い・弱いとはあまり関係が無いが、上手い・下手。そして、何より稽古に通ったかどうかの証明にはなる。
初段と二段。二段と三段。そこには、それだけの、「修身」の歴史の差が歴然としてある。
だから、高段者ほど、自流の段位の価値を知っているから、より上位の段を優遇する。当然のことだろう。
いくら、才能があろうと、試合には出ない。稽古には来ないでは、当然、段位の授与などできない。
他の流派のことは、知らないが、日本拳法道連盟では、段位か、試合歴かで、人を見る。それは、稽古に通った年季の証となるからだ。
世の中には、すごい人がいっぱいいることは知っているが、風門の40代3人もすごい。まず、基本、稽古を休まない。そして、ラスト1分2Rとはいえ、これだけのスパーをこなす。
誰でも出来るのだが、誰でも出来ない。それが、日本拳法道の面白いところなのだ。
この、動画が、二人の「修身」を証明している。
大人でも、市井に暮らす凡夫でも、身削ぎの行を通して、「修身」の出来る場。それを作るために風門は活動している。
プロの試合の動画を見て、感想を述べて盛り上がるのは、自由だが、観客席で一生終わるのか、人に笑われても、自分がコートに立つ側に回るのか。
風門の厳しさは、その一点にある。(ちなみに、40歳未満の方は。の話しです。)