https://www.youtube.com/watch?v=Cw1sTHR7zHs&t=12s
令和5年度 第8回風門祭日本拳法道錬成大会 一般男子初段・有級之部 中量級ワンマッチ戦 高増学(風門館)VS大川内龍也(タフス道場)
もの凄い激闘だった。見応えのある試合を見ると心が震える。本当に、両者の健闘を讃えたい。
私は、試合の勝ち負けに拘る人が好きではない。というより、はっきり言えば嫌いだ。
スポーツとして見るなら、試合に勝ち負けは、重要だろうし、そういう価値観でやることを否定するつもりはないが、我々は、また違った価値観で勝負事をやっているので、勝ち負けしか興味の無い人間から、ああだ・こうだと論評されるのが嫌いだと言えるだろう。
風門館では、乱取り・組み手のことを、わざわざ<鍛錬手合>と呼んでいる。なぜそう呼ぶのかには、風門の由来と思想が込められている。
言霊とは、つまるところ、<思想・考え方・物の見方・人の生き様>と言うのが私の持論で有る。
勝ち負けとは、そもそも何だろうか?
勝てば気持ちが良い、負ければ惨めだ。残念だ。そういうのは十分にわかる。
だが、我々のやっているコンタクトスポーツは、勝ち負け以前に、無事帰るかどうかが、より深刻な問題なのだ。
闘って、無事に帰還する。実は、簡単ではない。日本拳法道競技法は、安全制を売り物にしているが、内実、それほど安全でもない。
軽量防具・6オンスグラブ・他流試合・アマチュア武道・格闘技で許されている技は、頭突き以外全て使える
KOしても、OK!金的・背面・関節部位以外は道具外れもOK!顔面肘・膝OK!
けっこうクレージーなルールなのだ。
#風門館八幡道場長 高増初段 よく、フルコン・KB・ボクシング経験ありと書いているが、そもそも、始めたのが40過ぎからで、それ以前、武道・格闘技未経験。
しかし、天賦の才がある。私は、あまり、自慢的なことを言わないので、世間的には、風門館というのは、零細道場に見えるだろうし、それも事実なのだが、私の門下からは、3人プロを輩出させている。そのうちの一人は、かなり傑出した人物であったし、また、一人はアマの有名総合系全日本のタイトルを取った後でのプロ入りだ。
また、日本拳法道の私の後輩のうち二人プロになっているが、二人ともアマの大会で全日本を取ったり、3位になったりとかで、私は、全国レベルを生で知っている。
高増初段。若い時からやっていたら間違いなく全国レベルになっていたと思う。
今回も、相手が強くて、結果としては負けているが、それがどうしたと言いたくなる。
結局、勝ち負けというのは相対的な問題で、自分より弱い相手なら、必ずかっこよく勝てるし、相手が強ければ、見た目惨めに負けるシーンもある。
プロの試合動画で、よくKOシーンが流れる。素人は、自分がKOする側の視点で見るが、KOされる側の視点で見出したら、けこう通だと思う。この動画の時代、半永久的に自分の惨めな動画が試聴回数を伸ばし続ける。それがプロになるということだ。
一流になればなるほど動画が回転する。過酷な時代だと思う。
今回、タフス道場の大川内選手。ボクシング経験有りとのことだったが、ただ者では無かった。
風門館は、悪質な反則者を防ぐために、他流との立ち会いは必ず動画で公開する。それを承知で出てくるわけだから、基本、猛者しか出てこない。
だから、当然、風門側も、惨めな動画が世間にさらされることを承知の上で、試合に臨む。
その覚悟が無ければ、観客席から見る側で、ああだ・こうだ・誰が強い・弱いという人間でいればいい。まさに、風門スタイルとは生き様の問題なのだ。
講道館柔道の創始者、嘉納師範は、<負ける覚悟>と言ったと何かで読んだ。
競技武道をする以上、それは、最低限の覚悟だ。勝負事には、勝つか負けるかしかない。
日本拳法道ルールには、引き分けはない。
防具着装で安全性を図っているとは言え、逆に防具無しで、このルールでやったら、それは、もはやアマチュア競技ではないし、社会体育にもならない。
結局、突き詰めれば、<健闘讃える>この一言に尽きる。
48歳・風門館八幡道場長・高増初段、35歳・大川内選手。
<健闘を讃える> この言葉以外に贈る言葉はない。
風門館事務局 代表福光まで
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