https://www.youtube.com/watch?v=Q1FgF2mQ5gI&t=77s
引き続き、段を取るという文化とその意味について考えてゆきたい。
やってる側にとっては、段は、たいした意味を持たない場合が多い。最近では、将棋の藤井4段が、のきなみ高段者を倒すので、そういうリアルな世界では、段位は意味をなさない面があるのは確かだ。
しかし、習う側からすると意味がある。例えば、あなたが新しい道場に入るとする。その時、何を基準に指導者を選ぶか?というと、競技武道なら、大会歴や段位となるのでは、ないだろうか?
中に入れば、初段、二段でもすごい人がいるのは事実だが、それは中にいる人が知っている情報であって、外の人にはわからない。
我々でも、買い物をするとき会社の名前で選ぶ。肩書は重要ではないという人が多いが、門外漢の場合。逆に言うと肩書以上の情報を得る術はない。
武道も同じことが言える。段は肩書なのであり、外部の人間への、その流儀による品質保証という一面を持っている。
こういうビジネスパーソンな書き方をすると、よく、怒られるが、例え500円であろうと、お金をもらう以上、それは、既にビジネスである。
だからこそ、逆に言うと、品質保証の問題が出てくる。日本拳法道の段位の取得は、さほど難しくないと繰り返し言っているため、どうも誤解も招いているようなので、やや詳しく説明する。
あくまでも厳しい流儀よりはと言う前提で言ってるだけで、なんの努力もせず、何のリスクも取らず、金さえ払えばもらえるという代物ではない。
勝ち負けはともかくとして、けっこう大会出場歴は参考にされる。むろん、成績が良ければ、なおいい。
大会歴が無ければ、技術が相当重く見られる。最低でも形が出来る。これが最低条件である。
日本拳法道連盟は小さな団体だが、段位を乱発するということは無い。一定のレベルの担保は、当然、前提となっている。
特に、元来が他流試合用にルールと試合形式が出来ているため、他流試合の経験値は、重視されるのは当然である。
これが、以前は、行き過ぎて、弊害が出すぎたので、以前ほど、無言のプレッシャーはなくなっているが、それでも、あればるあるほど有利なことに変わりはない。
今年9月に4段を受検する千手丸氏は、公式戦における他流試合で100本は越えているのではないかと思う。その時点で、文句なく4段で有り、年齢も45歳であるから、現役を引退しても、後は形を練る方向で、稽古を続けていれば、自動的に5段、6段となっていく。
払ったリスクへの報償。日本拳法道連盟の段位には、そういう意味合いもある。
すると大会出場が難しい40歳以降の人は、段がもらえないのかというとそんなことはない。こつこつと努力し、技を積み重ねれば、当然、その技術を保証するという意味で、段位は発行される。
いずれにしても、根気がいることは確かだ。
だから、比較的に理詰めの稽古を行うし、極力全員が辞めなくて済むような修練システムを取っている。
長く続け、一人でも多くの指導員を輩出する。それが風門館の目指すところである。、日本拳法道連盟の組織的な厚みを増したい。そこが私の努力の源泉である。
私も木立門下で、既に35年。
目に見えない、段位の水準が、わかる。だから、風門では、そのラインに達していないと、審査そのものを受けさせない。厳しいようだが、私の目で、不合格なら、間違いなく宗家からはねられる。
それは、支部長としての私の責任となるから、簡単だと言いながら、容易ではないという禅問答のような状態が起きる。
私は、いつも福岡武道館を一杯にしてやると言っているが、プロの興行のようなことを考えているわけでは無い。柔道や剣道と同じく、関係者で武道館を満席にするのが私の夢である。
いいものでも売れない時代だという。以前、日経新聞で歌手の山本譲二の名曲、<みちのく一人旅>が、最初は全く売れず、3人を相手に、ミカン箱の上で歌っていたと言う記事を読んだことがある。あれだけ有名な歌にしてそれかと驚いたのを覚えている。
日本拳法道は、一般社会人の生涯武道として、社会体育として、また、護身実用の術として優れている。
今年11月12日。コロナで3年間中止に追いやられていた日本拳法道福岡武道館大会が、つに第34回大会として復活する。
私が、日本拳法道福岡武道館第4回大会に出場するため、木立門下に入ったのが今から35年前の4月だった。
よく続いたなと思う。
人数は少人数だが、今年9月には、私が6段。千手丸氏が4段。千木丸氏が2段。八咫丸氏が初段。弦音丸氏が1級。上羽丸氏が5級。
八咫氏が初段を取得した段階で、八幡同好会は、風門館八幡道場に昇格する。また、来年9月、彼が、2段を取れば、風門館から独立させて、日本拳法道連盟傘下の八幡支部として活動してもらうよう話している。来年、4月には、弦音丸氏が初段に達する。
一歩一歩、確実に出来ることをやる。芸法修練も組織拡大も、結局は亀の歩み似ているのだと確信する今日この頃である。
風門館事務局 kirara.1958@gmail.com 代表福光まで。