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令和4年。10月16日。午前の部。晴れ。暑い。田川郡福智町武道館。
行者:千手丸氏・千木丸氏・八咫丸氏・上羽丸氏。トライアルA氏。
稽古内容:体術総合・体術護身。
豊前福光派古術素手第二法・取手・拍子取・背後両羽根:背後中羽根肩担
豊前福光派古術・組討
初級:腰車・鉢返・鉢返落
茶帯以上:自由技 前落・小内大内・払車・尾長鳥・大外掛・横掛横捨身・大外刈
受け返し稽古
被せ突き・展開
千手丸氏。32R。
千木丸氏。22R
八咫丸氏。29R
弦音丸氏。27R
上羽丸氏。23R
順調に稽古。刻々と風門祭が迫っているが、メニューは、さほど変わらない。試合に勝つための稽古をしないというのが風門館の特徴である。
護身用の手も引き続き稽古するし、他も平常通り。この前、八幡同好会に行った折りに、何となく、被せ突きの展開をやったので、先週に引き続き被せ突きの展開を稽古した。当分、このメニューは続ける。
古術福光派の得意の手口に、手繰里取というのが、ある。これは、肘に対する順逆だが、使い勝手が良い。
取手・組討にも、多用する。この手繰里取りのおかげで、グラブ使用の日本拳法道ルールで生き残ることが出来た。まさに、祖霊に感謝である。
特に、当身と関連して使うのが、福光派の特徴だろう。当てて、手繰って絡める。今は、これに膝を合わせるという今様をやっているので、古術とは別にして、風門館護身体術として教伝している。
私の門人には、空手・ボクシング等の打撃系出身者が多い。打撃出身者には、この当身と混ぜて使う手繰里取りの発想法が無いので、まさしく、私の出番なのである。
当てて、絡める。この絡めるというのが、古術が太刀でも得意とする手口である。こういう古術の手業が、日本拳法道ルールでは、競技としても、使って良いから、皆真剣に学ぶ。
風門館は、いくら競技至上主義では無いと言っても、ルールで使えない技なら、習う側としては迷惑と感じるだろうが、この当てて手繰る感覚は、対柔道などの他流試合に威力を発揮するので、立ち技出身者ほど、熱心に聞く傾向にある。
正直、気持ちよい。
私は、武道というのは、生涯武道が出来る体系でなければならないと思っている。よく、実戦がー。という人がいるが、凶悪な事件が頻発する昨今であっても、平時であることには変わらない。
実戦が-。といくら騒いでも、警察官でもない限り、護身実用の現場に出くわすことは、生涯に一度あるかないかだろう。(あくまでも今の時点では。)
また、実戦がーといくら騒いでも、万が一、我々のような一般人が、実戦を求めて市中を彷徨えば、今の仕事は確実に首になる。
仕事を失い食えなくなることこそ、最悪の事態だ。護身実用とは、まず食えること。ここを忘れてはならない。
特殊な職業に就く人なら、実戦がーと叫んで、路上の現実を求めても食えるのかも知れないが、我々にはそういう世界は無縁だ。
当たり前なことだが、風門館に集まるのは、市井に暮らす凡夫に決まっている。
そういう凡夫が、長く続けるためには、手数を多様に学ぶというスタイルも必要なのだ。
実戦がーなら。単純な技を繰り返した方が効率的だ。
しかし、平時に、しかも、凡夫でそういうマニアックな人はいない。
万が一の護身実用とは、いつあるかも知れないし、ないまま、終わるのかも知れない。
となると、年老いても稽古し続ける体系で無いと、辞めてしまえば、0になる。
長く続けるためには、実戦がーには、無用であっても、多様な手業を学び、飽き無い工夫はいると思う。
江戸の太平期をしのぎ続けた古術の一つの知恵である。
風門館事務局 0947・32・3550 代表福光まで。