最近。新しい人が、入って来たので、風門館とは何かを説明する必用もあろう。
前半の護身用の手。組討などは、ほぼ古術の手業を修練している。
この古術には、独特の文化が、あって。その影響が、濃いのが、風門館の特色になっている。
従って、風門館って変わった言葉を使うなとか文化的に風変わったことをやっているなと思ったら、それは、古術由来であることが多い。
今回の稽古納め。古術では、稲魂之御更衣と呼ぶ。
冬至近辺で、行う御更衣をそう呼んでいる。
冬至は。一年で、一番日が短い。即ち、陰の極である。ここから、陽転するわけだから、実は陰の極は。縁起が良いとも言える。
この陽転を、祝う意味と同時に、陰に片寄って、生命力の衰えた、天地自然を活性化させるために、壮士が、荒魂をぶつけ合い、雄羅振(おらぶる)ことで、大地を踏み、大気を揺らして、天地の気脈の流れをよくする。
その威力をより上げるためには、験力の有るもの同士の方がより良い。だから、普段から身削ぎの行で、身魂を磨く。
こういう説明をすると現代人には、ドン引きされるので、普段は話さないし、また、信じろとかもない。
風門館は、市井に暮らす凡夫のための護身の芸を学ぶ場なので、その点は。全く変わらない。
しかし。稽古の半分は。福光流の手業の稽古をしているわけだから、折りに触れて。古術とは何かを知ってほしいと言う気分もある。
この風変わりな流儀も、私を最後に絶流するかも知れない。
滅びゆく流儀と言うのは。確かに存在したと言う痕跡を残したがるものではないだろか?
私が、風門館に、情熱を傾けているその理由の深淵の中には。古術の手業と文化を残したいと言う思いがあることは間違いない。