日本拳法道連盟・豊前福光派古術連盟 風門館公式ブログ

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風門館徒然。天降るの時に。得物護身。10月10日。

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令和2年10月10日。午前の部。晴れ。風門館本部道場。

 

行者:木霊丸氏。

 

内容:得物護身

 

豊前福光派古術得物第1法:元手(太刀術)・変手勝(奥伝)

 

1本目:一文字、初手:柄打陰、真名手:柄打陽、変化:蹴足膝頭、蹴足釣鐘

口伝:迎え足、勝ち騰げ、押し込み、釣り合い

 

2本目:叩き、初手:素首、真名手:肘遣り、変化:蔦絡

口伝:膝崩、蝶名掛。

 

稽古は、順調。11月22日の風門祭に向けて、我々福光流得物コースも張り切っている。

福光流の得物が、人前に出るのは、わずか、年に一度の風門祭の時だけだ。この時に、動画を撮って、ユーチューブに挙げ、それをもって、稽古の証とする。

 

特に、名を売りたいとかでは無く、後世に、一手でも残したい。そういう気分であるし、福光流を主に稽古している、木霊丸師範にとっては、この日が、一番のイベントだから、こういう晴れの舞台はありがたい。

 

やはり、演武であっても、人に見せるとなると、気合いが入るから、そういうイベントは大事だと思う。

 

さて、話しは変わるが、今年も、黄色の彼岸花が定位置に咲いた。3年ほど前か。植えても無いのに突然咲き始めたので、驚いたが、ご近所さんの庭にある、彼岸花を猪が咥えて、うちに持ち込み、それが、どうやら根付いたらしい。

 

自然の不思議は、神秘的な偶然をもたらす。一つの種として、この黄色の彼岸花が、こうやって、飛び地へ移動し、生き残るのであるから、奇跡としか言いようが無い。

 

古術者は、こういう自然の不可思議に神意を感じ、珍重する。

 

天から運ばれて、地生えする植物を、指して、アモと呼ぶ。これは、天降るのなまったものであろうが、昔、百姓にとって、天道生えの植物はありがたかったに違いない。

 

その自然への感謝を、神の贈り物として崇めたのでは無いだろうか?

 

古術は、宗教ではないが、独特の信仰文化体系を持っている。その源は、里山の農山村の暮らしの中から、自然発生的に生まれたものだろうが、それを、かなり言語化し、体系化しているところが、古術の言振りの面白いところである。

 

昔、余ほどの才人がいたのだろうと先代は面白がっていたし、感心もしていた。

 

我々にとって、芸法も先祖伝来の遺産で有り、天降(アモ)なのである。

 

その天降る物を大事にする思想。それこそが、家守の思想を生み、また、家守となる。

 

古術の芸法の修行のことを御道と呼ぶが、制敵の芸だけで無く、家を守る考え方を学ぶ実践哲学。それが、私にとっては、大きな魅力の一つである。