令和2年度・風門館:日本拳法道連盟秋季昇級審査会。組手審査その2(レベル2)「55歳VS47歳:60秒ノンストップ」田川郡福智町武道館。9月13日。
https://www.youtube.com/watch?v=OIogh6yx2Xg
千木丸氏。組手審査のその2。この日は、欠席が多く、一ヶ月ぶりの稽古だった宮崎宗範に、60秒で一本取ってもらった。
しかし、55歳で、これだけ動けるというのは驚異だ。スタミナの関係で、スパーは、60秒と決めているが、60秒でも、現役相手に2Rはこなしているから、さすがに、かって、九州のクラッシャー・バンバン・ビガロとして慣らしただけのことはあると、いつも敬意を抱いている。
ただし、宗範は、元々防具付きでも相手をKOして来た人なので、当て止めのコントロールができない。今回、いきなり、千木丸氏とスパーは、危険性もあったが、千木丸氏本人の同意も得て、執り行うことにした。
これで、面当て止めのレベル2かと思う人もいるだろうが、本来は、面打ち抜きだから、やや、強めではあるが、これでもレベル2なのである。
茶帯になると基本は、立ち技のみ。面打ち抜きのレベル3が基本なので、千木丸氏にも半年後には、レベル3でやれるようディフエンス技術を磨いていってもらいたいと思っている。
しかし、千木丸氏も47歳。相手は、その場数の数は数え切れないほどやり込んだ宮崎宗範だから、かなり恐怖心を抱いたと思う。しかも、当日、いきなり言われたので、戸惑いがあったと思うが、日本拳法道連盟は、そういうのが意外と常識で有り、そういう、いきなりを乗り越えた者に、黒帯を与えるのだ。
ゆるい。ゆるいとは言っても、実撃制・ポイント&KOルールが、基本なので、これでも、我々としてはゆるいつもりでやっている。
昔の、凄惨な昇段試験に比べれば、今は、ほんと、温和になっている。
しかし、最後まで、手数を出したところは立派だった。日本拳法道連盟の昇段・昇級審査審査で一番重視するのは、最後まで手数を出す精神力。ここを重視する。バランス・ステップ・打撃テクニック・ディフエンス・スタミナ。そういうトータルなものも無論重視するが、最後まで、食いついていく姿勢。そこが一番評価の対象になる。
手数を出せない。相手から逃げ回る。そういう人間には、そもそも、受けさせない。
60秒のラスト。千木丸氏が自ら直蹴りで攻める姿勢で終わったところが、今回、一番良かった点である。
半年後には、4・3級を受験する。合格すれば、茶帯である。我々の若い頃、空手の茶帯を締めることは憧れだった。
今の若い人は、茶帯を買うのがもったいないと言って締めたがらない人が多いが、意外とそういう人間は、黒帯前で辞めて行くことが多い。
半年後の、千木丸氏の茶帯を締めた勇姿を是非見たいと願っている。