遠津神笑み給へ。稜威之御霊を幸へ給へ。
古術の核心は、その生き方にある。芸法の修練は、その生き方を学ぶための最も有効なな手段の一つである。
古術の言う、<家守之芸>とは、最終的には、家産運用の哲学で有り、その思想体系こそが、一番重要な宝なのである。
祖霊を祀り、天神地祇に感謝する。全ては、それに尽きる。
そのために、花を育て、自給し、祖霊を祀る。決して、仏式で祀るからと言って、仏教的な信仰があるわけでは無い。あくまでも祖霊を祀ることが主眼である。
つまり、それは、過去と現在とのつながりを意識化すると言うことであり、同時に未来への責任を担うと言うことである。
だから、努力できるのである。時間軸で、過去・現在・未来がつながり、今自分が、存在していることの不思議さに思いをはせるから、地道な努力の積み重ねを無駄と思わない思考が養われる。
そして、常に、美しい花を、生み出す天神地祇の不可思議な徳に感謝する。五穀豊穣なってこその天下泰平、天下静謐にして始めての、子孫繁栄・病気平癒がある。このコロナの時代。あらためて、日常の平安のありがたさがいかに貴いかを感じた。
遠津神笑み給へ。稜威之御霊を幸へ給へ。と唱えながら、古術者として生き、古術者として死んでいこうと日々感じている。