日本拳法道連盟・豊前福光派古術連盟 風門館公式ブログ

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日本拳法道ルールの魅力3 寝技10秒のマジック 

 
 
日本拳法道ルールの魅力3 寝技10秒のマジック 
 
日本拳法道ルールの最大の特色として、この寝技10制限が挙げられる。この10秒は、これがあることで立ち技系から敬遠され、また、10秒に制限されているため組技系総合からは6オンスグラブで、寝技10秒は不利だと不評を買う一番の要因となっている。
 
しかし、だからこそ。日本拳法道ルールの最大の特色となっているのである。
 
この寝技10秒制限は、打撃系総合武道を作ろうとする日本拳法道のそもそもの術理思想とその意思をこれによって明確に表現する。
 
日本拳法道は名前が示す通り、元々のベースは日本拳法である。それを現代風にアレンジして出来たのが、日本拳法道ルールであるから、あくまでも拳法を中心とする総合武道を作ることが目的であり、寝技系総合とはその点において、一線を画している。
 
市街地護身実用を想定して、編み出されたのが日本拳法道の本来の姿である。
 
対1なら、寝技が強い者が勝つ。となると、競技においては、必然的に寝技中心となる。しかし、果たしてそれで良いのか?護身武道として対複数への想定は無くて良いのか?という寝技系総合に対するアンチテーゼというか。時流に流されず、結成以来のあくまでも立ち技中心の総合武道を作るという意思を明らかにするために、導入されたのが寝技10秒制限の意味である。
 
こう言うと、一人にも勝てないくせに、対複数を想定しても意味が無いという異論が当然起こってくるのだが、そこから先は、芸法修行者各自が、己の最善を信じるしか無い世界であり、おそらく完璧な正解は無いと思う。
 
ただ、日本拳法道は、日本拳法道の信じる世界観を提示し、芸法修行者の一つの選択肢であれば良いと考えているので、他流を否定することもないし、同時に現在のルールを変える必要性も感じてない。
 
日本拳法道<福岡武道館大会=格闘フェスタ・セイフティ格闘技選手権>も、昨年で既に32回。防具・ルール。ともに、改良すべきところは改良し、おおむね、満足のいくレベルにまでなっている。残された課題は、組織強化の一点のみだ。
 
次に、具体的にこの寝技10秒制限の具体的な様相を述べたい。
 
寝技10秒によって、日本拳法道ルールでは、打撃6・投げ3・寝技1になるように、最初からルールが設計されている。
 
ここが、まさしく寝技10秒制限のマジックなのであるが、普段の稽古でも、結局この割合で稽古することになってしまうから、競技ルールの設計は怖い。
 
<競技武道においてはルールの設計が、その技術体系を決める>というのが宗家の考えだったが、まさしくその通りになった。だから、、ルール設計は、実にその流儀の術理思想を表していると言える。
 
寝技10秒があるから、やはり寝技対策をする。もし、10秒が無かったら、寝技の稽古をしなくなると思う。
 
打撃系が総合で敗れていった1990年代を見てきた身にとって、打撃中心思想は捨てがたいが、転がされたら、無抵抗というのも情けなすぎる。かと言って、寝技中心の武道をするのは何かがひっかかる。そういう人間にとってこの寝技10秒は、まさしく<コロンブスの卵>だった。
 
いろいろ不評があっても、この寝技10秒こそ、日本拳法道ルールの重要な特色だと、確信しているし、今後も絶対に捨ててはいけないアイデンティティだと思う。
 
 
ところで、この動画は、27回と29回で作ったPVだが、どちらも寝技10秒の攻防が、勝敗を大きく左右することが見て取れる。たかが10秒。されど10秒なのである。
 
この10秒をしのげるか、しのげないかは、立ち技系が、組技系に勝つための絶対条件である。この10秒の攻防は、中身を知っている人間にとっては、大きい。また、組技系出身者が打撃を覚えると、このルールでは最強になる。
 
そういうのも日本拳法道の魅力だ。