日本拳法道連盟・豊前福光派古術連盟 風門館公式ブログ

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令和4年度 日本拳法道連盟・風門館 春季昇級審査会 田川郡福智町武道館。4月10日。

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令和4年度 日本拳法道連盟・風門館 春季昇級審査会 

田川郡福智町武道館。4月10日。

 

1・2級審査 川上千木丸3級。結果 合格

5・6級審査 高増八咫丸無級。結果 合格

自由組手審査 掛かり 福山千手丸3段。

 

行者:T氏・S氏。

 

稽古内容 体術総合・日本拳法道連盟昇級審査

 

豊前福光派古術素手第四法腰取から、

腰取3種:取倒・取返・横掛横捨身

腰取返5種:平蜘蛛固・甲羅返・鉢砕・巴返・車取馬乗固

日本拳法道形、上受けの形・下受けの形・掛け受けの形・掬い受けの形

変則鍛錬手合L2 2分1R 川上千木丸3級・高増八咫丸氏

鍛錬手合L2 2分1R 福山千手丸三段・高増八咫丸氏 

鍛錬手合L1.2 1分4R 参加者全員

 

4月10日は、私にとっては、待ちに待った一日だった。千木丸氏が入門してから、既に3年が経過している。また、八咫丸氏が入門してから、1年。この間、コロナによる休館を何度挟んだことか?休館・再開・休館の繰り返しで、よく、現在、行者が5名も残ったなと思う。

 

コロナによる休館を余儀なくされる度に、再開しても、もう集まらないかも知れないと諦めつつも、行者の熱意で、やっと、念願の昇級審査にまで辿り着いた。

 

今回審査を受けた二人にも万感の思いがあるのではないだろうか?

 

千木丸氏も今年49歳。1級を取れないと、初段へ進めない。武道をする以上、やはり、何としてでも欲しいのは、黒帯である。しかし、これで、後は、初段の審査のみとなったので、順調に行けば、9月で初段・黒帯・指導員補となる。

 

また、八咫丸氏。ボクシング・空手の経験があり、打撃だけだと、うちでは、初段クラスなのだが、日本拳法道の段を取るためには、5・6級から始めなければならない。しかも、入会したのが、昨年の4月頃で有り、非常に稽古熱心なのだが、これもまた、コロナで休館を挟んだため、通常なら、半年で取れる5・6級を取るために1年かかってしまった。

 

さらに、風門館では、入会者と入門者を区別している。日本拳法道連盟の級を取った人間からが、入門者で、行者名を付けるという独特の習わしがある。この行者名は、福光流の伝統だ。風門館では、稽古の半分は、古術の稽古をしているため、風門館で、日本拳法道の段・級を取れば、同時に福光流の段級を取ったことになる。そのため、級を取った段階で、行者名を付けて、正式入門としている。

 

私の稽古禄は、関係者しか読まないのだが、漢字の行者名がついている者は、入門者。アルファベットの人は、入会者ということになる。

 

ここらへんは、私の強い拘りなので、この伝統を変えるつもりはない。

 

次に審査内容についてだが、

 

1 日本拳法道形→両者ともまだまだ、改善の余地がある。日本拳法道形は、シンプルだが、やればやるほどこの形の奥の深さと重要性が分かるようになる。極論を言うと日本拳法道とは基本の素振り六本と、34本の形から出来ていると言える。

 今後は、二人とも、先達として、後進に形の指導をすることになるので、その度に、自分の学んだ形を復習しながら、研究することになる。その繰り返しが、日本拳法道独特のスタイルを作ることになる。

 

2 自由組手→これは、もう申し分ない出来だった。今回、千木丸氏が左手を損傷していたため、急遽、手は、利き腕のみで、打撃のみ。完全打ち抜きのL2で取ったが、両者とも構えをスイッチしながら、器用に闘った。圧巻であった。

 

特に、千木丸氏の右の揚げ突きに目がいった。確かに基本でもやるし、受け返しでも揚げ突きは稽古するが、乱稽古で揚げ突きを使う印象がなかったので、工夫しているなと感心した。

 

また、八咫丸氏は、フルコン出身だけあって、蹴りが得意なのだが、面への直蹴りが印象に残った。面への直蹴りは決まれば、ダウンを取れる貴重な技なので、今後も是非研鑽して欲しい。

 

最後になるが、T氏とS氏は、審査会を見ること自体が初めてなので、次は自分の番だという熱意が伝わってきた。

 

6月に二人の昇級審査会を予定している。

 

武道と格闘技の違いは何ですかとよく聞かれるが、私は、この段級審査制度が一番違っていると思う。

 

武道の場合。試合に出なくても、段・級を取るという具体的な目標があり、それが、稽古のモチベーションとなることは疑いない。

 

白帯から、茶帯、黒帯。黒帯でも、初段・指導員補、二段・準指導員、三段・正指導員・支部長。4段・師範補、5段・師範・館長と肩書きが着いてくるのもいい。実力第一主義を唱える人もいるが、我々のような平凡なサラリーマンは、仕事が最優先だから、週1回の稽古でも、続けるだけでも大ごとである。しかも、現在の平均年齢49.83歳。

 

特に、今回の自由組手審査。着胴・着面の完全打ち抜きL2だが、49歳・46歳・44歳で、防具を付けて安全性を担保しているとは言え、これだけ、全力で撃ち合える人間が、同じ年齢でいるかと言うと、職業武道家ならいざ知らず。そんなにはいないと思う。

 

ネット上では、すごい人たちが書いているので、すごい人たちがいるもんだなとつくづく思うが、実際の身の回りに、平均年齢46.3歳で、これだけ撃ち合える人がいるかというとそう多くはいないだろう。むしろ私からすると驚異だ。動画は、YouTubeにあげているので、この先、家人にとっても誇らしい父親として映像が残れば、それだけでも報われる。

 

強い・弱いも大事なんだろうが、49・46・44歳の男たちが、全力で打ち抜く姿。それが私は美しいと思っている。もちろん、この打ち抜きをやるためには、稽古に来なければならない。稽古も来ないで、打ち抜きをやったら、どうなるか経験者が一番よく知っている。

 

仕事で一杯一杯の日々を送りながら、週末の土曜日に飲めない。撃ち合った日曜日も飲めない。それを3年耐えて、初段。4年耐えたら2段、6年耐えたら、3段・支部長。

 

自分を律した証として送られるのが段級証である。世間の人からは、馬鹿じゃないのと言われながらも、この価値を知っている男たちがいる・仲間がいる。その仲間に自分も入れるという誇らしさ。

 

それが、武道で得られる最大の勲章かも知れない。