https://www.youtube.com/watch?v=BHzdGQJAil4
令和3年11月14日。日曜日。午前の部。晴れ。田川郡福智町武道館。
行者:千手丸氏・千木丸氏・T1氏・T2氏。
稽古内容 体術総合・体術護身。
風門館受身12種・身体之鍛12種
風門館護身体術。拍子取2本目:双羽鳥表裏。表・双羽鳥拉固。
着胴蹴込み稽古 左右直蹴り・左右横蹴り。直蹴り3連。抜胴左右。
サンドバッグ 30秒×3
鍛錬手合L1.5 1分3R
風門館の特色は、他局面展開武道というところにある。従って、風門の動画の一局面だけを見れば、防具付きの競技武道にも見えるだろうし、このような、短刀取りの類いを見れば、古武道のようにも見える。
問題は、週1回2時間の稽古で、あれもこれもが可能なのかと言うところにあると思うが、私は、可能だと思っている。
その代わり、最低でも、3年間はかかる。その3年間のうち、万が一に遭遇したら、運が無かったと言うしか無い。無慈悲なようだが、万が一は、それだけ重大な問題だということである。
ちなみに、最低3年と言ったが、最低でもと言った話しであって、その3年間以内に、万が一に出会ったら、生き残る可能性は限りなく低いのは当然である。
少なくとも10年。私は、週1回程度の稽古で、武道歴58年は、過ぎたが、それでも、相打ちに持ち込めれば、よくできたと言える方だろうと思っている。
それだけ、現実は厳しい。それを承知の上で、万が一の際に、無抵抗で死ぬのか?一分でも生き残る可能性に賭けるのか?
芸法修練の最終目的は、それに尽きる。そう、私は、考えている。
前置きが長くなったが、風門館護身体術とは何かの説明をしたかった。ベースは、私の学んだ家伝の流儀である鎌倉古流福光派だ。それを、現代風にアレンジしたものを風門館護身体術としている。
福光流の形稽古は礼法そのものが鍛錬となっているため、煩瑣である。
現在の、風門館は、主として、日本拳法道を教えている。日本拳法道自体が、徒手武道として、幅広い芸技が必要となる。その上、門人・門中に古術の煩瑣な礼法を含めた古伝の福光流を教えるとなると、とてもではないが、週1回2時間では、追いつかない。
しかし、一方で、関東で、列車内という密閉空間で、刃物による刺傷事件が多発している事実も重い。
先週だったか、九州新幹線でも、ガソリンをまくと言う事件が起こった。徒手格闘だけを念頭に置いて稽古すればよい時代でもない。そう、私は判断している。
私の中では、<周1回2時間・全員40代以上・市井に暮らす凡夫>という縛りがある。
その中で、メニューを組まなければならないという制限された状況があるが、同時に、制限されているからこそ、工夫が生まれる。
そこが面白い。江戸期、福光党は、帰農したが故に、二本差しができないという制限を受けた。だから、そのハンディを克服するために、薙鎌や、双手術を生み出した。
私は、<家守の芸>を追い求めている。風門館護身体術とは、私なりの<家守の芸>である。それにしても、ベースが無ければ、ほいほい生み出せる物では無い。
過去、学んだ師匠達に感謝しながら、熱心な、門人達に伝授する。至福の時間だ。