https://www.youtube.com/watch?v=qCOjaiwCX04
風門館では、日本拳法道乱取り競技法を基準のL5として、完全寸止めのL1~空道ルールをL7とする。7段階の乱稽古基準を設けている。
このL1.5とは、着胴・着籠手で、面触れ止め。他はライトコンタクトを指す。
武道の難しいところは、安全性と実用性、継続性と速習性のバランスをどう取るかだと思う。
風門館では、その対象を、私のような市井に暮らす凡夫としている。週一回2時間の稽古が精一杯。また、あまり強い乱稽古はしたくはないが、かと言って形稽古だけでは、護身実用として、不安を感じる。そういう層のために風門館を開設し、運営している。
私は、日本拳法や空道などの、打撃系総合武道が好きだった。しかし、体格も貧弱で、かつ、弱視に近い強度近視のため、常に、頭痛に悩まされ、普段の仕事が精一杯の人間だった。
そんな私だが、いや、そんな私だからこそ、武道の必要性があったのかも知れないが、子供の頃から、武道は好きだった。ただ、体力が無い。
そのため、形稽古中心の武道を彷徨いつづけたが、そこでは、どうしても落ち着けなかった。かと言って、激しい乱稽古中心の日本拳法などにはとてもついていける自信が無かった。
そういう私が、この程度の乱稽古なら出来ると思って、開発したのが、このL1.5である。ばんばん、打ち合いたい人にはもの足りないだろうが、心配無用。風門館の本来の基準は、日本拳法道乱取り競技法であり、それをL5としているから、やりたい人はいくらでも乱稽古の強度を上げることが出来る。
しかし、そういう人のための道場やジムは、今の時代、いくらでもあるのだから、風門が何もそこへ割って入る必要性はないと思っている。また、形稽古のみの武道もいくらでもある訳であるから、形稽古しかしないのなら、わざわざ、風門を設立する必要性もない。
私の狙いは、私と同じような人間にある。普段は形稽古中心。しかし、スパーも軽いのがしたい。そして、時々は、スパーの強度を上げて試してみたい。その選択が自由にできる道場。安全性と実用性、継続性と速習性のバランスのとれた道場が欲しい。
それが、私の願いだった。その自分の願望を実現するために、紆余曲折を経ながら、現在の風門館に至った。
面触れ止めのコントロールが、難しいのが欠点だが、着面で完全に打ち抜く日本拳法道ルール=L5での他流試合を何度も経験した者は、逆に、普段の乱稽古は、この程度でいいと思うようになる。
また、平均年齢46才の風門に取って、あまり激しい乱稽古は、後々の後遺症が心配になる。平均寿命が80才を越える現代に於いて、単に生きることが、大事なのではない。自分のことは、自分で出来る健康寿命が大事なのだ。
護身のための稽古をして、身体を壊してしまっては、本末転倒になる。かと言って、稽古をしながら、こんなことで、いざと言うときに役に立つのかと思いながら稽古するのも精神衛生上良くない。
恐らく、正しい<解>というのは、無数にあるのだと思う。私にとっての<解>は、風門だったから、その<解>を示し、かっての私のような人間が、集まってくれれば、風門のそもそもの存在意義が実現したということになるだろう。