日本拳法道連盟・豊前福光派古術連盟 風門館公式ブログ

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風門之儀2020。映像に残すと言うこと。また、日本拳法道連盟の段位取得について。


風門館徒然。「47歳の青春」その2。田川郡大任町B&G。2020・8・30

 

 https://www.youtube.com/watch?v=iqC9kuk7pAE 

 

風門館では、盛んに動画を撮る。無論、宣伝の意味合いも大きいが、他にも理由があるからやっている。

 

一つには、動画を客観的に見ることで、行者が、自分で、自分の欠点や修正点に気づくと言うのも大きい。自覚的な稽古は、週一回と言う限られた時間で稽古する風門のような一般社会人サークルには必須だ。

 

また、私自身も映像を見ながら、修正すべき点、注意すべき点などに気づくことが多く、効率的な指導のためには必須アイテムだと感じている。

 

さらに、もっと大きな理由がある。それが、動画撮影の最大の動機なのだが、各門中の勇姿を残したいという思いが私の中には強くあるからだ。

 

こういう肉弾戦は、いつまでもできないし、いつからでもできるという訳でもない。

 

門中の人生の中で、貴重な映像記録だと思って、普段はスマホで撮り、節目節目にはは、4Kで撮影している。

 

世の中には、すごいルールで稽古している人たちがいることは十分承知しているが、それを知った上でなお、我々のような草深い田舎で、市井に暮らす凡夫が、週一回2時間の稽古をこなすことがいかに困難かを知っているので、それを乗り越えていく門中の自己管理能力に最大の敬意を表するために、言葉より、映像で残しているわけである。

 

都会の人間には分からないだろうが、我々田舎の人間には、仕事・家庭と並んで、もう一つ地域行事という困難がある。

 

仕事でくたくたに疲れ果て、家庭を守り、かつ、地域行事に参加しなければならない。この地域行事が、基本、土曜・日曜だから、非常に苦しむ。しかも、田舎の行事には、酒がつきもので、それも、半端ない量を飲まされる。

 

そういう日々をこなしながら、週一回、2分2Rの鍛錬手合をこなす。最初の内は、誰しも意気揚々なのだが、これが、3年・5年と続くとなるとよほど、体調管理が出来ていないとこなせるものではない。

 

だから、日本拳法道連盟の段位に価値が出てくるのだ。

 

日本拳法道連盟には、暗黙の了解があって、40際未満で、福岡武道館出場経験がない者には、基本、黒帯を出さない。黒帯を出すときは、いずれ、出場するであろうと言う予定者として出すのであって、自分は、大会には出ませんと言った時点で、黒帯は出さないし、それ以降の昇段はあり得ない。あくまでも基本だが。

 

もう一つは、4段まで、基本現役制。これは、どういうことかと言うと、40未満・4段以下は、現役が当然という暗黙の了解である。

 

この暗黙の了解というのは、明文化されていないから、難しいのだが、元々、日本拳法道連盟は、他流試合をしてなんぼと言う感覚で団体が立ち上がったので、この気質はなかなか抜けるものでは無い。

 

現に、私が知る限り、他流試合を一度も経験していない人間に黒帯が出た例を知らない。

 

ポイントは40歳である。防具付きとは言え、フルコンタクトで全身を打ち合い・投げ合い・関節を取り、締め上げるのだから、震動が怖い。

 

長年の震動が、老年に至って、どのような影響があるのか?医学的な見地を知らないが、我々の体験上、40過ぎは、あまり激しくしないほうが良いのでは無いかと感じている。

 

我々のような一般社会人は、週一回2時間の稽古は、技術練習が中心となる。基礎体力の鍛錬法は教えるが、後は、各自でやってもらうしかない。

 

しかし、それを実行できる人間は、既に、凡人では無い。

 

となると、護身の法を学ぶために稽古した挙げ句の果てに、いざと言うときは廃人でした。では、意味が無いと言うことになる。

 

ここら当たりが難しいので、風門館では、40過ぎの人には、本人の意志や技量・経験値などを考慮しながら、私と相談しながら、メニューを組んでいる。

 

この動画のk氏は、47歳。もしかすると48歳かも知れない。本人の意志もあって、今、レベル2で取っている。

 

このレベル2でも、けっこう激しい。

 

私の計画では、初段を取るときには、レベル3を経験して、それ以降は、形とレベル1でいいのではないかと考えている。もちろん、その頃には、50歳過ぎであるから、初段以降の昇段審査は、打撃のみの寸止めで行う。40歳以上は、形の審査を重視し、寸止めでの動きを見るので、40過ぎでも、指導員が育つシステムになっている。

 

最近、50代で、入門したH氏には、こういうことをさせるつもりはありませんからと再三念を押している。50過ぎは、面触れ止め・他ライトコンタクトのレベル1で十分だと思っている。後は、形で学び、練ればいい。

 

風門館は、護身の手として、日本拳法道形・福光流古伝形・風門館護身体術と言った形も豊富に用意してある。

 

面触れ止めのレベル1で、目を慣らし、形で稽古すれば十分ではないかと思う。

 

風門館は、「大人のための護身教室」を標榜して活動している。それで、ゆっくり、ゆるくを強調しているため、いささか勘違いを生んでいるかなと危惧する部分もあるので、ここで付記しておくが、20代でも、30代でも、組み手は怖いから、嫌だと言う人はいるだろう。

 

そういう人のために、風門館では、体術古伝コースというのを設けているが、このコースでは、日本拳法道の段・級は取れない。取れるのは、福光流の免状である。

 

そして、福光流の免状は、道統を継ぐと言うことを前提に発行するので、初段取ったら辞めますと宣言されたら発行することはできない。

 

40未満で、組み手はしたくない、福光流の免状など興味ないとなると、それは、もう、風門としては、辞めてもらうしか無い。

 

また、最近の若い人に多いのだが、風門館は、武道を稽古している道場である。フィットネスジムではない。入門や稽古の動機は、健康法であることは構わないのだが、段・級には興味ありませんと言われたら、それは、困る。論外である。

 

風門のような田舎道場には、来てやってるという感覚の人間も、ときにあり、閉口することがある。

 

戦後日本の誤った風潮だが、お客様感覚で来られても困る。日本拳法道形にしても、福光流にしても、技術のエッセンスである。それを、場所代込み、700円。入会金無しで教えているのは、道統を守りたいという一念で伝授しているのである。

 

その伝授の証が、段・級の発行な訳だ。その段・級を拒否すると言うことは、我々の流儀を拒否すると言うことに他ならない。

 

風門は、そういう人間の入門者は、お断りしている。

 

さて、ここで、k氏の話に戻そう。実は、風門では、門中と言う言い方をする。門人では無く、門中である。文字通り、門の中だから、門中である。こういう文化は、全て、古術福光派に由来する、風門独特の文化である。

 

入門後、半年を過ぎ、日本拳法道の段・級を私の指導下で受け、取得する。その時点からが、門中で有り、古術独特の文化で、行者名をつける。

 

今般、台風で流れたが、k氏。この動画で分かるとおり、日本拳法道連盟五級にふさわしい。

 

既に、行者名も用意している。後は、審査を行うばかりである。

 

その審査に合格した瞬間に、行者名を与えられ、正式に門中となる。このブログからk氏と言う名前が消える瞬間であり、新しい行者名が登場することになる。

 

述べ800人を教えたが、この半年がもたない人間は、その数に入れていない。私の門下で日本拳法道連盟の段・級を得た人間には、同時に福光流の同等の切り紙・免状も認可する。

 

それを得た人間だけが、私にとっての門中なのである。

 

結局、最初に書こうと思った内容とは、たががはずれたが、これはこれで良いと感じている。

 

最後に、執拗になるが、風門は緩さを強調しているが、それは、併伝の福光流の段・級の話しであって、日本拳法道連盟の錦糸入りの帯をもらうためには、40未満では、日本拳法乱取り競技法によるガチガチの組み手NGではあり得ないと言うことを強調して終わりとする。