動画 令和元年度 第5回風門祭軽量級第2試合
井上選手(唐武会)VS 内藤選手(エボルート小倉ジム)
風門祭では、①同門対決を避ける。②体重差を考慮する。③キャリア・実績の有無を考慮する。この三点で、試合を組む。
となると、なかなか、組み合わせが難しくなる。まず、最優先が①。これは、当然のことだが、同門同士は、普段のスパーでやり尽くしている。初見の相手のとの手合が一番、潜在能力を引き出すことになるのは言うまでも無いことだ。だから、他を犠牲にしてでも、極力同門対決を避けて組む。
重い方は、それで良いが、軽い方はたまらない。しかし、この無差別の壁に平然と挑んでくるのがエボルート小倉ジム勢なのである。ここらへんの果敢さにいつも敬意を抱いている。また、その無差別を可能にするのが、防具付の良さだと思う。
今回、軽量級に出場した内藤選手。キャリア1年。164cm・62k。42歳。軽量級なのになぜか唐武会空手の井上選手82kと対戦。どういうこと?と思ったことだろう。
しかも、井上選手。柔道は初段。当たりも強い。しかし、敢闘した。いくら防具付で安全性を考慮しているとは言え、体重差20kはきつい。私も昔、62k~64k台で80k台と闘った経験があるが、重い相手の圧力は半端ない。しかも、キャリア1年で、今回の舞台だ。
風門祭は、未だ小規模な大会のため、こういうケースも多々ある。しかし、それに不満をもらす流儀はいない。元々、そういうものだと承知の上で出ているからだ。そこら辺が、風門祭の最大の特徴で有り、面白さだと思っている。
強き者・勝者には当然光があたる。しかし、不利を承知で敢闘する者にも惜しみない拍手と光があたる。西洋的な結果が全てのスポーツ競技とは一線を画す所以である。
風門祭は日本的美意識・武士道文化を身体言語として表現する舞台なのである。だから、皆、輝く。美しい。
もちろん、そこに甘えることなく出場選手を増やし、体重別で試合が出来るように努力は続ける。
その上で、今回の主役の一人は、間違いなく内藤選手だったと思う。檜舞台で、臆することなく立ち向かう内藤選手に遅ればせながら敢闘賞を贈りたいと考えている。