習い事の楽しみの、ひとつに、後進の育成というのがあるのではないかと思う。
入門したての頃、先達の顔が、まぶしく感じた。自分の動きが、あやふやで、早く、もう少しまともにならないかと願っていた。
それが、地道にこつこつと芸を続けていれば、なんとなく滑らかになっていく。そして、どんな、小さな道場でも、後輩が入ってくる。
その、後進を指導し、育てるとき、
連綿と続く、芸の、連鎖の中に、自分も繋がっていると、自覚する。師から学んだこと、自分の経験。
そういうものを、後輩に伝えていく。連綿と続く、一筋の流れの中で、自分が生き、生かされていること。時代が軽薄に流れるばかりの昨今。そういうものに反する生き方もあっていい。
教えながら、伝えながら、導きながら、自らも学ぶ。
自分の存在の確かさを、その時に自覚する。そういう、時間を持つこと。それも、風門の目指すところである。
写真提供 「おやじの魅力」のおやじさん。<http://blogs.yahoo.co.jp/yasu1233jp>