日本拳法道連盟・豊前福光派古術連盟 風門館公式ブログ

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風門館。日本拳法道連盟三段・正指導員とは何か?田川郡福智町武道館。2022・4・17。

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https://www.youtube.com/shorts/CJz4BN6Hs94

 

私はよく、風門館は、将来の指導員を育てる稽古をしていると言う。すると、40過ぎの門人達が、今から始めて、指導員になれますかねと怪訝そうな顔をする。

 

結論から言うと、50過ぎて始めても、指導員にはなれるし、支部長にもなれる。

 

日本拳法道連盟の場合。段の取得は、それほど、難しい訳ではない。根気力さえあれば、誰でも、三段までは、確実になれる。風門館では、三段は、支部長であり、風門から独立して、日本拳法道連盟内の支部を新たに作って良いと言うのを内規にしている。

 

初段まで3年、二段は、4年。三段は6年。最短で、6年あれば、誰でも三段を取得し、支部開設が出来る。もちろん、風門の支部としてやりたいならそれも歓迎するし、自分で、日本拳法道連盟○○会と名乗って活動してもらってもかまわない。

 

その際、40過ぎの門人達から質問が出るのが、公式戦の経験が無くても、支部を開設できるのか?と言うことだ。

 

これについても、考え方を間違えなければ、公式戦の経験は、皆無でも、支部の開設はできると言うのが私の考えだ。

 

何故かと言うと、風門の普段の、地稽古が、既に他流との手合であって、そこで、十分、他流との立ち会い経験を積むことになるからである。

 

一例を挙げると、現在49歳・1級の千木丸氏の場合。悲惨だったと思う。3年ほど前に入門したとき、後にアマ・シューテイングの全日本チャンピンとなる某選手が出稽古に来ており、その某君が、普段打ち抜きでやっているため、当て止めが上手く出来ず、結局ほぼフルガチ状態でスパー。千手丸氏も現役・他にも黒帯がいて、多分、体中あざだらけだったと思う。

 

さらに、秋月流の宮崎宗範・雷電流の雷電代表と、居並ぶ強豪相手に、毎週、ほぼガチスパー。

 

現在も、空手・ボクシング経験のある八咫丸氏・ボクシング経験のあるT氏と、マススパーを続けている。

 

日本拳法道自体が、元々、「安全に他流試合を行う」と言うのが、連盟設立の基本コンセプトだから、色々な経歴の選手と交流する機会が多く、地稽古自体が、既に他流試合化するのが、特徴となっている。

 

そういう環境で、6年ほど、マス・ガチを繰り返していれば、自ずから他流との立ち会いの経験が積み重なっていく。

 

それで、十分だというのが私の持論だ。

 

先に、「考え方さえ間違えなければ」と述べた。では、どんなタイプが指導者となって危険なのか?

 

それを具体的に説明しよう。教えたがりで、お山の大将になりたがるタイプ。また、自分の技に自信が無いので、弟子を囲い込みたがるタイプ。

 

これは、危険である。

 

日本拳法道は、防具式徒手総合武道で有り、その宣伝文句は、「安全に試合が出来る。」だが、その安全というのは、防具無しの総合系よりは安全という意味で、実際は、一歩間違うと大きな事故が起きるルールでもある。

 

しかも、大会は、オープントーナメントだから、毎年、どん選手が出てくるのか分からない。そんな大会に、選手を送り出すとなると、徒手総合ルールで使える技に関して、最低、防御策は講じていないと、ゲームの負けではなく、体を破壊されて、人生に負ける結末が待っている。

 

だから、指導者には、最低でも無事に選手を生還させるという責任があり、また、その技術的な引き出しの多さが必要となる。

 

6年で、そこまでいくのか?無論、それは、不可能だ。だから、考え方ということになる。自分が出来ない技があれば、自ら習いにいくか。あるいは、人を呼んでセミナー形式で学ばせるか。

 

その人を呼ぶのが出来ないタイプは、指導者には向いていないし、危険だ。

 

なぜ、人を呼んで学べないのか?その原因は簡単だ。自分の技の無さが、弟子にばれるのが怖いからだ。つまり、門人の安全より、自分の面子の方が大事。そういうタイプは、徒手総合系ルールの指導者になるべきではないと思う。

 

私の良いところは、私の面子より、門人の無事生還が最優先だったから、皆、私についてきたと思う。

 

私は、寝技が得意ではない。特に足関節に至っては、初歩的なことしか教えられない。だから、今までも、総合系の人を招いては、寝技・足関節の講習会を開いてきた。

 

そういうことができる人間なら、公式戦の経験など無くても、指導者として大丈夫だと思う。

 

この動画の千手丸三段は、武道・格闘技未経験で、私の門下に入り、もう14・5年になる。それでも、まだ、私の知っている技の全てを教えている訳ではない。

 

しかし、他流試合・立ち会いは、公式戦・地稽古を含めて、相当こなしている。今は、私に用事があっても、安心して稽古をまかせられるし、また、指導の仕方も適切だ。

 

私は、徒手総合系ルールの指導者として必要なのは、やはり、技の引き出しの多さだと思っている。

 

攻撃技は、何種類か知っていれば良い。相手を破壊する一手があれば、それで足りるが、防ぎ手は、話が違う。知らない技を食らうとあっけなく負ける。

 

グレーシが席捲した頃、我々は、目の前で、打撃系の大物選手が、胴タックルで転がされ、絞め落とされるのを目の当たりにしてきた。

 

防具式のアマであっても、日本拳法道ルールは怖い。足関節などに無知であれば、タップするタイミングも分からず、破壊される場合がある。

 

プロなら、金のために戦うのだから、無理をしてでも、勝つことが仕事だろうが、我々アマチュアは、本業こそが最優先だ。

 

だから、私は、アマで勝ち負けにこだわる指導者や選手が好きではない。風門館では、壊される前にタップしろと教えている。

 

試合で負けることがそんなに恥ずかしいことなのだろうか?怪我をして、職場に穴を空けることの方が、社会人としてはよほど恥ずかしい。

 

私は、そんな考え方だ。競技は、あくまでも、修練法の一つ。それが、風門館のポリシーだ。

 

だから、話しが戻るが、指導者としての最大の資質は、自分の面子より、門人の無事生還に一種懸命になれる人。それに尽きると考えている。

 

そのためには、必要とあらば、門人を他人に預けられる人。それで、門人に去れたとしたら、それまでのことと腹をくくれる人。

 

そういう人でなければ、日本拳法道ルールの指導者になるべきではない。それが、防具式とは言え、徒手総合武道の厳しさだと考えている。