https://www.youtube.com/watch?v=YZ4uNYZI2hI
風門館徒然。闘う46歳。父親達の日本拳法道。
令和4年3月6日。日曜日。午後の部。晴れ。直方市民体育センター柔道場。
有志稽古会
稽古内容 体術総合。
身体之鍛8種×10・素振り1ヶ条から8ヶ条。
日本拳法道形 上受けの形・下受けの形。
着胴蹴込み稽古左右直蹴・左右抜胴×20
受け返し稽古。風門館羽手拳法1本目~2本目×20
鍛錬手合L1.3 2分×1R
口伝。首取り膝車・首取り裾車・尾長鳥
直方有志稽古会も昨日が最後。今週からは、本拠地福智町武道館に戻る。新型コロナによる稽古中断も、既に3年目。常に、道場がクラスターとなる危険と隣り合わせでやってきたが、今度の有志会の稽古は、本当に悩んだ。
万が一、風門がクラスターになった場合の危険性と、一方で、稽古を熱望する門人の願い。特に、「鉄は熱いうちにこれを打て」というように、初心の者ほど、思いは熱い。その熱い期間に集中して稽古するのも芸法上達では欠かせない。
難しい問題だった。
しかし、福岡県のマンボウも明日で解除となり、来週からは、通常通り、本拠地福智町武道館で、毎週日曜日。10:00~12:00。稽古再開となる。
特記事項を書いて置こう。先週から、T氏に、飛び膝からの膝車・裾車を伝授していたが、さらに進んで、首取り車からの尾長鳥の手業を伝授。私が若い頃得意としたパターンだ。
腰椎狭窄症で大手術をする前、私の得意技は、尾長鳥だった。柔道で言う内股なのだが、跳ね上げると言うより転がす感じなので、柔道の内股とは感覚的に違うと思う。
こういう腰を使う技も日ごとに出来なくなってきているので、早急に手業をコピーしたいと考えている。
足が長く、躰の柔らかいT氏なら、この技が適していると思う。膝から入るので、打撃出身のT氏が、今後、柔道などの組み技系と立ち会う際に、大きな武器になる。これで、また、一つ楽しみが増えた。
本題。父親達の日本拳法道について。
T氏・S氏とも46歳である。T氏は、空手・ボクシングを43歳から始めたと言うから、打撃系に関しては、キャリヤ3年。実力的にも打撃だけなら、日本拳法道の初段クラスである。S氏は、まだ、入会3ヶ月目だが、ON・LINE道場を利用して、基本の素振りを徹底的にやっているとのことで、仕上がりが早い。
奇しくも、二人とも46歳。同学年ということで、仲も良い。そして、父親でもある。
ネットの世界を見ると、すごい人たちが一杯いるが、現実の世界では、46歳で、週一回2時間の稽古を3年耐えられる人は少ない。しかも、貴重な日曜日を削るのだから、社会人に取っては、簡単ではない。
しかし、そういう父親達の熱情が、必ず子供には伝わると信じている。誰しも、自分の父親を誇りたいという気持ちはあるはずだ。
強いとか・弱いとか、上手いとか下手だとか、そういう見た目の評価がついて回るのは仕方が無いことだが、我々、やった側の人間からすれば、46歳で、これだけ動けているというのは驚異だ。
二人とも、武道・格闘技の世界に入って日が浅いため、自分たちがどれほど凄いことをやっているのかという自覚が薄いが、私などからすると驚天動地に近い。
私が、二人の子供だったとしたら、親を誇らしいと思うだろう。
今の若い人の価値観が分からないから、そういう評価すら受けないのかも知れないが、我々やった側の人間からすれば、「凄い!」の一語に尽きる。
風門館は、会員や門人の仕事・住所・属性・家族のことなど基本、本人が話さない限り聞かないし、また、聞かせない。稽古以外のプライベートには立ち入らないのを基本としている。
ただ、二人が父親だと言うことは知っている。46歳の父親達の奮闘は、必ず子供達の心に残るはずだ。
教育というのは、学校等の教育機関だけでするものではない。人としての道・生き方・哲学・教養、そういうものは、本来家庭で親が行うべきだ。
武道の、道は、哲学の道でもある。技を錬磨し、肉体を鍛錬しながら、色々な気づきを得る。
その道に関する気づきが、自らの子に、背中で教える教育となり、家を守る真の護身となる。
古術が「家守の芸」と称した所以である。