https://www.youtube.com/watch?v=Tb8l-p4hXVE
風門館標準組手法。鍛錬手合L1.3の効用。
護身実用というのは、真剣に考えれば考えるほど難しくなる。まず、基本的に、生涯の内に、そういう局面があるのかないのかさえ。正直、誰にも分からない。
また、あったとして、自分が何歳の時に巡りあうのか、それを予定することなど到底できない。
では、無いとしたらどうなのかというとけっこうニュースなどで、あり得ない非日常的な護身実用発動事件が多発していることも事実で有り、いつ、その厄災に自分が巻き込まれるのか、これもまた、誰にも予測できない。
となると、どうなるのか?
護身実用とは、安全性・継続性・速習性・実用性の4点のバランスが必要という結論に至る。
そのバランスをどう取るか。そこで、流派の違いが生まれてくるのではないかと思う。
風門館は、多忙な一般社会人で、週一回2時間が精一杯と言う人を対象にしているので、そういう人が、安全に、継続でき、かつ、速習性があり、なお、護身実用の役に立つと言う、究極のわがままを追求している団体とも言える。
そういう風門館にとって、安全性・継続性・速習性・実用性と言う本来相矛盾する課題をバランスするために、過去も、幾多の組手法を開発しており、現在、L0からL7までの組手法を有している。
しかし、50歳以上の会員の組手法として、何かが欠けているというか、満足できていない部分があったが、このL1.3と言う発見で新しい世界が見えてきた。
着面・着籠手、面触れ止め・他ライトコンタクト。
むしろ、なぜ、これに気づかなかったのかと今更ながらに不思議でならない。瓢箪から駒と言うのは、こういうことを言うのだろう。
人の持つ固定観念の恐ろしさの一つだと思う。
具体的に解説しよう。動画白面。T氏。50歳・ボクシング経験有り。対するS氏。46歳。武道・格闘技未経験。入会3ヶ月目だが、野球歴が長く、運動能力は高い。しかも、風門館ON・LINE道場を活用して、日々、基礎体と素振り拳法に励んでいる。
T氏も、手業は当然うまいが、蹴りは素人だ。S氏は、手業も蹴りも素人だが、過去の野球経験で身につけた独特のフットワーク・ステップワークを使い、なかなかおもしろい動きをする。こいうのが、日本拳法道の一番の面白さである。
しかも、入会3ヶ月目とは言え、毎日、ON・LINEを利用して、素振り・歩法・日本拳法道形を徹底的にやりこんでいるから、週一回2時間換算だと、半年経験したくらいの計算になる。
武道に限らず、何事に於いてもかけた時間は結果として表に現れる。
S氏が、入会3ヶ月目とは思えないスパーが出来ているのは、風門館ON・LINE道場の活用にある。
また、T氏。既に、50歳である。楽しみとして、健康維持としてマイペースで稽古に来ているのだが、そのあり方も正解なのだ。
私は、子供頃から行法として武芸を学んだ。だから、あんまり、人と比べて自分がどうのという意識がなかった。
逆に、人と比べて、不満を持ったりする人間の気持ちがわからない。昔、私の門人の一人が、極真上がりと試合して、負けた時に、ものすごく悔しがっていたが、理解できなかった。
いくら柔道が強い言っても、拳法は2年ほどで、黒帯にもなっていなかった時点で試合に出したことが甘すぎたのかも知れないが、相手は、中学か高校の極真中国(日本の)選手権優勝者で、身長が190・体重70K。
それと善戦したから、私としては、面目を施した大会と言えたのだが、柔道出身者には、極真ブランドとかは、あまり興味がないようで、負けたという事実だけに拘っていた。
それほど、悔しいなら努力して、次は粉砕すればいい。それだけのことだ。
日本拳法道ルールは、端から他流試合を想定するルールであり、大会自体、95%他流試合となる。そして、壊していい。
安全具としての防具をつけているからなおのこと壊していいのだ。ルール内においては。日本で数少ない法で保護された人を破壊しても罪に問われない場所の一つが、日本拳法道乱取り競技法のコートだと言える。
つい、話しが昔話にそれてしまったが、風門館では、入会の動機は様々で有り、どれも、その人にとって正解であれば、それでいいと言うのが私のスタンスだ。
護身実用・健康・身魂磨きの行。コミュニケーションの憩いの場として。
特に、うるさいことは言わない。その人にとって満足であれば、場を開いている私としては、それで、満足だ。
ただし、最低限のルールがある。どんな集団でも、人が集まれば、最低限のルールは必要だろう。
それを、以下記す。
1 道着を着る。風門館は武道団体であるから、道着を着るという文化を大事にしている。
2 昇級・昇段審査を受ける。風門館は、日本拳法道連盟の支部であるから、会員は、当然、時期が至ったら、日本拳法道連盟の段・級審査を受けなければならない。
3 体調等で嘘をつかない。隠し事をしない。頭を打つ競技をやっているのだから、常に生命の危険と隣り合わせにいる。そこで、頭を打ってはならない病気を持っていたりすることを隠されていると、事故の防ぎようようがない。これをやった人間を私は許さない。
4 自分の発した言葉に責任を持つ。風門館は、大和心復興・士道精神涵養を謳って活動している。試合に出るといったら必ず出る。自分の発した言葉には責任を持つ。特に、この4には、風門館は厳しい道場である。
私は、言葉の軽い人間が大嫌いだ。例えば、昔も、そいう輩に出くわしたが、「死ぬ気」でやりますとか言う人間が嫌いだ。たかだか、防具の試合だよ。別に死ななくて良いから、無事に帰ってこいよというと、自分は本気です。とか言う割に、たかだか、防具の試合前に、ドタキャンして、しかも、会費で購入した防具を持ち逃げとか。
だから、大言壮語する人間を私は信用しない。人は行動を見ている。また、自分に至誠があるなら、行動で示せというのが私の持論だ。
上記四ヶ条。別段、珍しい、規約でもないし、常識的な規約だと思うが、これを守れない人間が多すぎて、辟易するところである。