日本拳法道連盟・豊前福光派古術連盟 風門館公式ブログ

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「精進の賜」とは、何か?風門館千日鍛。48歳・15秒ラッシュ。田川郡福智町武道館。2021・12・19

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「精進の賜」とは、何か?風門館千日鍛。48歳・15秒ラッシュ。

田川郡福智町武道館。2021・12・19

 

「精進の賜」と言う言葉がある。机上の知識で知っている。言葉として使う。これは、辞書をひけば、誰にでも出来ることだから、容易である。

 

しかし、「知行合一」として、使うとなると、「知」があっても、「行」は、難しい。

 

風門館は、ゆる~い稽古を売りにしているが、反面、言行一致には拘る。我々は、「生涯武道」を追求して、御道の行に励んでいる。ただし、「山の行より、里の行」という言葉があるように、全員、仏教的に言えば、「在家」である。

 

「在家」の行者であることが、基本である以上、まず、糧を得るための仕事に何よりも責任を負わなければならない。その上で、わずかな余暇を使って、行に励んでいる。

 

ネット等を見ると、よく、そんなに、稽古できるなと言う人の記事をみかけるが、我々のような凡夫にとっては、とてもではないが、まねできない。

 

日々、仕事に追われ、やっと、得た休息のための、日曜日の午前中を使って、御道の行に励む。簡単なようでいて、簡単ではない。

 

1年・2年くらいは、続くのだが、3年となるとこれが、容易では無い。私は、この32年間で、のべ800人ほど教えたが、黒帯までいったのは、わずか8人である。

 

すごい人たちがいる反面。現実的には、そんなものではないだろうか。しかも、ゆるさを売りにしている風門で、そうだから。後は、推して知るべしだろう。

 

武士道とは、肉体言語で語る世界だと思っている。風門のようなゆるさを売りにしている道場でも、空虚な言葉だけの威勢の良さは評価しないし、聞く気にもなれない。

 

私は、31歳で、日本拳法道連盟木立先生門下に、入門した。そして、15本のトーナメントに出たが、そのうちの13本は、37歳から41歳になる直前2週間前までの、4年間で取った。

 

そして、出ると言った試合には必ず出た。自分の発する言葉には責任を持つ。これが、風門スピリットであると門人を育成してきた。

 

その精神は、脈々と受け継がれている。私は、大言壮語する人間が嫌いなので、そういう人間には、あえて、試合を強要する。

 

随分、昔の話になるが、私の真武館全日本出場を、ああ、予選とかないんですねと簡単に言った人間がいたので、防具の日本拳法道の大会にエントリーさせたら、試合前に、夜逃げした。

 

自分の発する言葉に責任を持てない人間と言うのは、だいたいにおいて、観客である。私のような無名の草の根を一番馬鹿にし、侮り、侮蔑するのが、己は試合経験も無い・痛い目も・怖い目にもあったことのない観客・評論家だったから、そういうタイプには、拒絶反応がある。

 

風門は、草の根・無名・弱小であっても、やる側の人間だというのが、我々のプライドだ。

 

千木丸三級。令和元年。46歳の終わり、12月頃に入門した。そこからが、大変だった。年が明けると、新型ウィルスのために、この2年間。何度閉鎖に追い込まれたことか。もう、その数さへも覚えていない。

 

うちのような、田舎の、草の根の無名道場に、流行病はこたえる。閉鎖の度に、これで、うちも終わりだなと思っていたら、再開すると必ず駆けつけ、ひたすら稽古に励む。

 

この2年間。ウィルスとの目に見えない戦いをしながら、47・48歳と丸2年間、精進した結果に、これだけの打ち込み稽古が出来るようになった。

 

こういう動画を公開しているのも、40代後半で、始めてもここまで、できると言うことを知ってもらいたいからだ。

 

また、競技には、確かに年齢が大きく関係するが、武道は、格闘技と違って、段・級という制度がある。

 

これに関しては、年齢はさほど関係が無い。日本拳法道連盟の場合。組手の審査は、年齢に応じた審査をするからだ。

 

50代以上は、ライトスパーで審査するので、60代でも、十分出来る。また、年齢が上がるにつれて、また、段が上がるにつれて、形の比重が大きくなるので、極論すれば、60歳で始めたとしても、75歳過ぎには、5段まで行ける。

 

武道の一番良いところは、競技だけではなく、段位という目標を立てられるところにある。

 

私は、体験入門してから、半年後に正式入門した人には、最低でも3段を取らせることを目標に置いて活動している。

 

私が教えたのべ800人中。日本拳法道の3段までいったのは、一人だけである。

 

千木丸三級も、常に自分と闘いながら、黒帯を目指している。来年3月で、1級。

 

そして、来年9月には、初段となる。

 

その時は、また、「精進の賜」と言う言葉を贈りたい。こうやって、一人一人、黒帯にし、段位を上げるのが楽しみで、私もまた、活動している。

 

私は、人のためとか世のためとか言う言葉を使うのが好きではない。心の中に、そういう思いがあるにしても、言葉として発しない。

 

私は、私の道楽のためにやっている。職業武道家ではない、私にとって、御道の行は、己のためにやっているし、段・級に拘るのも、それが、生き甲斐だからやっている。

 

自分の喜びのためにやっているから、続くのだと思う。それが、同時に、門人の喜びとなれば、こんな嬉しいことはない。それが、風門スタイルだ。