https://www.youtube.com/watch?v=mMHkjkThQVs
風門館の最大の特徴は、長く、武道を続けることに特化した道場であると言うことだ。
世の中には、強さを追い求める道場やジムはいくらでもある。強くなりたいという人は、迷わずそういう道場なり、ジムに行けば良いと思う。
しかし、強くなるためには、当然のことだが、組手や基礎鍛錬も、その求める強さに比例して、激しくなっていく。果たして、<市井に暮らす凡夫>が、そういう稽古についていけるのか?
ついていける人はいいのだ。問題は、そういう激しい組手・厳しい鍛錬についていけない人・ついていけなくなった年齢の人は、どうすれば良いのかというところにある。
かと言って、形稽古だけで、万が一の護身実用の際に役に立つのか?その疑問を抱きながら、稽古を生涯続け、結局、万が一の際には、何の役にも立たなかったとしたら、その時は、やり直しがきかない。
達人の弟子になったからと言って、全員が達人になれる訳でもないし、そもそも、市井に暮らす凡夫がそこまで、芸法の達人になる必要があるのか?
また、有名流派の道場に入って、悦に入っても、稽古についていけず、辞めてしまえば、その当人が小馬鹿にしていた形稽古の人にも負けるという厳然たる事実もある。
以上が、私の半世紀を超えた武道経験の中で、いつも疑問に想い続けた事柄だった。
風門館の修練体系は、全て、私の主観的規準に則って、組み立てられている。
常に、規準は、私の過去の経験によっている極めて主観丸出しの道場である。
強い・弱い。上手い・下手。それよりも、いかに長く歩き続けるか。そこに最大の価値を置いている。
今は、私の住む片田舎でも、武道・格闘技の道場・ジムが乱立する時代だ。選択肢が多いと言うことはいいことだ。
私は、家伝の福光流を始めとして、合気道2流派・八光流柔術・沖縄小林流と形稽古しかしない道場で20代までを過ごし、31歳の時から、いきなり、日本拳法道という本来乱稽古主体・試合に出てなんぼの競技武道に入り、その関係で、硬式空手・グローブ空手・アマKB・真武館全日本と各種ルールで他流試合を41歳までやり続けた変わり種である。
そういうもろもろの経験を元に、32年間。風門を運営してきた。
この動画の4人は、44歳・46歳・48歳・50歳で、平均年齢は47歳である。特に50歳のボクシング経験有りのT氏などは、まさに、驚異の動きだ。
マスだけでは役に立たないと言う意見もあることは知っているが、逆に、50歳でマスでもこれだけ動ければ十分なのではないだろうか。
また、4人とも、ガチの経験ありだから、マスとは言え、精神がぬるい組手をしている訳ではない。気は、ほぼガチであり、自分の出身武道なり、格闘技の動きを持ち込むので、実質、身体を壊さない他流手合になっている。
そこらへんも、風門館の魅了であろう。
ちなみに、風門館は、マスしかしない訳ではない。年齢・経験値・各人の意向・修練目的を考慮しながら、無理なくスパーが出来るよう鍛錬手合は、レベル1~7まで設定している。
規準は、日本拳法道乱取り競技法が、レベル5である。それを規準に、完全寸止めのレベル1~アマKBがレベル6、昔なら、真武館全日本、今なら、空道・アマシューティングがレベル7。その先が見たい人は、風門館は卒業としている。
この動画のL1.5とは、素面・着籠手で、面は触れ止め。他はライトコンタクト。中段・下段は、そこそこ当て良いので、無理なく続けられる。
経験者なら分かることだが、現役でいくら強かったとしても、全く稽古していなければ、急速に武力は衰える。結果、軽い組手しかしていないが、現実に動いてる現役に負けるという局面を幾度も見てきた。
マスだからと言っても、侮れない。しかも、ガチ経験者のマスは、年齢による衰えを緩やかにする。
護身実用の際の相手は、概ね素人である。達人と戦うわけではない。そこが重要なところだ。芸法を極めた達人が、市井の凡夫を意味も無く襲うとしたら、そんな時代は、狂っている。恐らく、そういう時代になったら、皆、銃器を持つだろう。
風門館は、そういう想定をしていない。
あくまでも、平時における万が一の際の護身実用に備える。組手・スパーリングを鍛錬手合とわざわざ呼んでいるのも、言葉の持つ意味、言霊を大事にしているからである。
風門館の用語には、特殊な物が多いが、その言葉には、風門館の目指すところ。思想が反映されているのだと言うことも長く稽古を続けていれば、自然と分かってくる。
私は、芸法は全て主観であると思っている。何が正解なのか?今でも探り続けているが、人の正解が、必ずしも私の正解では無い。だったら、私の思う正解を問い続けたいというのが、今の心境だ。
私と同じような、弱者のための武道・護身教室。そういうものを作りたい。それが、風門の原点だから、いろいろ、歩いて来ても、結局、結論はそこに辿り着く。
風門館への、入門の動機は、護身・健康法・ストレス発散・スポーツとして楽しみたい。など何でも良い。ただし、運営している私は、こういう考えだと言うのは知っておいてもらいたい。
その上で、各自が、各人の目的に沿って、風門を楽しんでもらえれば、それが一番幸いだと感じている。