https://www.youtube.com/watch?v=FCCw-bGnuFQ&t=1s
福光流には、<問答>と言う稽古法がある。これは、シュミレーションであり、座学の一つなのだが、今回のような事件があった場合など、どうすれば、最も最適解なのかを考える訓練法で有り、私の生涯の中では、護身に限らず、人としての生き方、あり方を学び、考える上で、優れた教育法だったとありがたく思っている。
さて、この事件の起こる前、菊野先生が、上道流のセミナーを受けたと言うことを知り、興味を覚えていた。そこへ、今回の事件である。専門家の意見を欲していた私としては、非常にありがたい説明となっている。
おおよそ、福光流の考えに近く、この動画を門中が見れば、ああ、館長の意見と似てるなと思うはずだ。8割方、9割方は、私の学んだ考え方に似ている。
私自身は、実戦経験などあるはずがないので、こういう専門家の意見と自分の考えが近いと知るとやはり、ほっとする部分はある。ただし、技術的な部分で、福光流と考えが違う部分もあるので、そこは自分の流儀を信じるしかない。
内容は、この動画をじっくりみて聞いてもらうしかないが、改めて風門館とは何かを述べておきたい。
風門館は、日本拳法道と鎌倉古流豊前伝福光派を教伝している道場である。従って、入門の動機も門中・門人それぞれにあり、私がそれを否定することはない。健康目的で入門する人。格闘スポーツとして入門する人。護身術を学びたい。古武道を学びたい。それぞれあって、よい。
しかしながら、私は、風門館は、<凡夫のための護身修練の場>として設けていると再三繰り返しているし、宣伝文句も<大人のための護身教室>と謳っている。
ここで、何が言いたいかというと風門館は、お金の安い格闘技ジムではないと言うことだ。だから、一番困るのは、こういう事件があった場合。短刀取りの稽古にしばらく入るのだが、そこで、そういうのはやりたくないと言う人が出てくることだ。自分の試合のスケジュールが狂うとか言われても、こちらも困る。
そういう人は、いくらでもプロが教えるジムがあるのだから、そういう場所を選択してもらいたい。
今回の事件も、当初情報が少なく、牛刀を振り回したという情報しか無かったので、袈裟懸けに対する技にのみ絞って稽古した。緊急事態宣言で、8月8日が最後の稽古となることが分かっていたので、仕方なかったが、やはり、最初の胸への突きが重要な点だったようだ。
刃物で怖いのは、胴突きである。緊急事態宣言で、今のところ9月12日までは、稽古ができないが、再開したら、まずは、胴突きへの対処を二本やりたいと思っている。
繰り返しになるが、刃物相手に形通り制圧できるとは思っていないし、そういう指導もしない。だが、身体を捻ることで致命傷を防げる可能性は確実に広がる。そこが大事なのだ。
また、この事件の直後にトルコ人による日本人妻への刺殺事件が発生している。今後も国際化による無制限な開国化政策は、日本の治安を悪化させることはあっても、よくさせることはない。戦後日本の<争わないことが一番文化>も通用しなくなる可能性が大である。
自分の身は自分で守らなければならない時代が万が一到来したら、その時点からの稽古では間に合わない。そういう時代が来なければ、それこそ幸いであるが、来た場合の準備も怠りなくしておかなければならない。犯罪と災害はどちらも一緒だ。いつくるか分からないが、明日来るかも知れない。風門館は、そういう万が一に備えて、手業を練るのが稽古の主たる目的である。
また、徒手総合武道である日本拳法道ルールから入って、上級者、老齢化した者には、福光流の得物術を教伝する。それが、私の目指す風門館の理想型である。