日本拳法道連盟・豊前福光派古術連盟 風門館公式ブログ

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風門館護身体術。双羽鳥蹴手繰里大外。田川郡福智町武道館。2021・8・8

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https://www.youtube.com/watch?v=F9PWYUZILy0

 

令和3年8月1日。午前の部。酷暑。福智町武道館。

 

行者:千手丸氏・常磐丸氏・千木丸氏・T氏・T氏。

 

稽古内容:体術総合・体術護身

 

風門館護身体術:双羽鳥拉固・双羽鳥拉固前落・双羽鳥蹴手繰里大外・双羽鳥肩担

 

日本拳法道形 横受けの形・差し受けの形

 

着胴追い込み稽古・4種。

 

鍛錬手合L1.5 90秒×2R

 

ナイハンチンからの鉤突 

 

8月6日に、関東の小田急線電車内で刃物による無差別傷害事件が起きた。そこで、前半の受け身・組討を中止し、袈裟掛けに対する手形4種を稽古。

 

いずれも、鎌倉古流福光派の取手の技法だが、礼法を省き、また、踏み蹴りなどは、現代風にアレンジしているので、福光流とは、名乗らず、風門館護身体術として、教伝した。

 

さて、今回の事件の異様性は、犯人が、最初から逃げられない空間としての電車車輌内を意図的に狙ったと言うことだ。極めて悪質だが、こういう事件も今後起こりうると言うことを想定して稽古していかなければならない。

 

よく、護身で逃げたらいいと言う人がいるが、私は、そこに、ある種の思考停止を感じていつも、危険性を感じていた。逃げたら良いが免罪符になっていはしないか?

 

以前、ネットのコメントで、「私なら逃げますけどね。」というのをもらって、家族や恋人がいた場合。置いて逃げるのかと聞き返すと。それっきりその相手は消えてしまった。逆に言うと、そのくらい、護身に関して空理空論で考えているのではないかと感じた。

 

逃げたらよいで済むなら、武道や武術などは必要性がないのではないかと言うのが私の考えだと言うより、古術は、田畑を持った百姓家に受け継がれた家守の芸であるから、逃げ出せない最悪の事態を想定して、武芸を伝承してきた。

 

単に逃げたらよいで済むのなら、武道・武術より、陸上をした方が合理性がある。日本に長い間、武術が受け継がれてきたのは、逃げても済まない事態があるからではないか。私はそう思っている。

 

また、刃物による事件が起きる度に、形で短刀取りの類いを稽古しても、実際には役に立たないという話しもすぐに出てくる。しかし、役に立つとか立たないとか言うこと自体が、設定がおかしいのではないだろうか?

 

今回のように、無差別でいきなり襲いかかってくると言う非常事態に見舞われたら、黙って無抵抗で死ぬか。一分でも、生き残る可能性に賭けて死ぬか。その二者択一しかない。その時、無抵抗で死ぬのを選ぶのも個人の自由だろうが、私は嫌だ。一分でも、一厘でも、可能性があれば、生き残るために抵抗する道を迷わず選ぶ。そのために今も稽古している。

 

ここで、形稽古が役にたつのかどうかと言う話題になったときに、形通りに相手を制圧できるかどうかに視点を置いて語る人が多いが、風門館では、制圧を目的としない。形を通して体捌き・手捌きを身体に染みこませ、咄嗟の時に、致命傷を負わないこと。それをまずめざす目標としておいている。その何秒か。時間を稼いでいるうちに、警察が来ることを前提としている。そうすると今度は警察が来ないとどうするのかというコメントが入ってくるが、自分で考えてくださいとしかいいようがない。

 

風門は風門である。私は、人に自分の考えを押しつけたことはない。私の言うことに異論を持つ人は、その人の考えで行動すれば良いのではないか。私の同意など必要ないだろう。

 

ただ、私の考えに賛同すると言う人がいれば、一緒に稽古しましょう。そういうスタンスで活動している。今までも、そうしてきたし、これからも、そうするつもりだ。

 

さて、ここで、もう一度、風門館は、格闘技のジムではないと言うことも付記しておく。風門館は、<大人のための護身教室>を謳って活動している。我々は、競技武道である日本拳法道を中心に活動しているが、競技も護身修練の一環として考えているのであって、単なる競技上の勝ち負けに拘って稽古しているわけではない。時々、金の安いKBジムと勘違いして入会する人がいるが、風門館は、KBをやっているとの宣伝等をしたことはない。(アマの試合に出たい人は自由)

 

今回のような事件がある度に、刃物への対処法、さらに進んでは、得物の使い方も教伝している。また、競技が終わる冬場は、基本、短刀取りの稽古も行う。そういう道場であることを知った上で入会してもらいたい。

 

話しが長くなったが、またしても、福岡に緊急事態宣言が発令される。その関係で、8月の稽古は、昨日が最後となった。人数も6人とにぎやかとなり、いい感じで稽古が出来ていたので、残念ではあるが、公共の施設を借りて、地域への健康増進・防犯意識啓蒙の一環として活動しているのが、趣旨であるから、宣言には従いたい。

 

予定では、9月の頭から宣言解除なので、解除と共に活動を再開する予定である。休館中には、また、このブログで見て欲しい動画や今回の事件に関して、新たな追記などをしてゆきたい。門中・門人諸氏におかれましては、定期的に当ブログのチェックをお願いしたい。