日本拳法道連盟・豊前福光派古術連盟 風門館公式ブログ

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風門之儀2020 風門チャレンジ 「明日輝くために・56歳の挑戦」 田川郡大任町B&G 8月16日。


風門之儀2020 風門チャレンジ 「明日輝くために・56歳の挑戦」

 

https://www.youtube.com/watch?v=9Cebd7uO4PE

 

8月16日。日曜日。晴れ。大任町B&G
行者:千手丸氏・仁駈丸氏・童子丸氏・S君。
稽古内容 体術総合。

組討:奥足小内足取り大内・馬乗り固め・横四方・帯車・甲羅返し。

円懸稽古三種・受け返し稽古三種。

ナックルズ(ボクシングスタイル)1R1分童子丸氏VS仁駈丸氏
鍛錬手合L3 千手丸氏・童子丸氏2R。
S少年スパー2R。VS千手丸氏・仁駈丸氏。

千手丸氏合計15R

 

今日は、有段者のみだったので、前半、真武館を想定した、組み討ちからの寝技稽古。

板間なので、体落・大外・背負い・払い腰などの技の稽古が出来ない。怪我のしにくい技しか、出来ないのが、もどかしいが、与えられた条件の中で最善を尽くすと言うのが、風門のポリシーだから、小内からの連携を十分やった。

 

打撃有りルールでは、小内のような小技が、けっこう威力を発揮する。最終的には、寝技になっても打撃で仕留めるのだから、転がせば良いと言う発想は有りなのだ。ここら辺の発想が、古術と同じなので、私が、このようなルールを好むのだと思う。古術の組み討ち技法も転がす技が多い。元来は、転がし、押さえつけて、腰刀でとどめを刺すという言う発想なので、派手に投げ飛ばすより、転がす技が多い。この手業が、柔道だと、効果にしかならないのだろうが、寝技での当て身有りルールでは、非常に有利に働く。こういう手業を豊富に持っているのが、古術の魅力で有り、また、風門の強みと言えるだろう。

 

さて、今日の話題は、仁駈丸氏の目標について。最近、門中諸氏に目標を聞いている。

それを把握しないと、私がメニューを組めないからだ。だいたい、私が、こうだろうと思っていることと一致しているのだが、中には、外す場合もあるので、念のために聞くのが風門の風習である。

 

仁駈丸氏は、元々は、豊前福光派古術の小太刀を学ぶために、入門したのだが、風門館では、古術のみの入門は、基本お断りしている。門中の大半が、日本拳法道の希望者なので、古術だけ学びたいと言うのは、やりにくい部分があるからだ。

 

最低でも、日本拳法道の基本は、マスターしてもらわないと稽古がしにくいので、現在は、日本拳法道三段以上取得の者で、40過ぎの人間のみに、古術得物芸法の入門を許可している。

 

もう10年ほど前に入門して、他流との野試合なども経験しているから、少年部や初心者の指導はできるくらいのレベルにある。

 

その仁駈丸氏だが、私の元に入門した時点で、膝が悪かったのだが、その後、手術をして、現在は、蹴り技はもうできない状態にある。

 

しかし、元々、武道・格闘技が好きなので、手業だけでもということで、今は、ボクシングジムに通いながら、風門には、OB的な感じで稽古に参加している。

 

年も、56歳。「後10年くらいしかできないかも知れません。だから、逆に、まだ動ける今を大事にしたい。一日でも長く稽古することが目標です。」と答えた。

 

切実な言葉だが、立派な覚悟だと思う。一日でも長く「明日輝くために」稽古したらよいと思う。

 

ハンディがあっても、残され時間が有限であっても、人は輝けるはずだ。

 

競技だけが全てでは無い。福光流だけでなく、柔道・武田流合気柔術・ボクシング。いろいろな武道を経験したことが、今は、少年部の指導に役立っている。

 

今後も、暇を見つけての参加になるだろうが、日本拳法道の初段を取ることを目標にするように話している。

 

身体が、ままならなくても、初心者や少年部の指導はできるのだし、古術の得物芸法のを稽古することもまだできる。

 

言い訳する暇や、後悔する暇。迷う暇があったら、稽古すれば良い。武道とは、突き詰めたらそれだけのことだ。

 

「そこに、山があるから登る」と同じである。結局は、稽古したいから稽古するのだ。

 

いくら健康であっても、才能があっても。稽古したくない人間は、稽古しない。

 

そういう世界だ。

 

だから、逆に、稽古したいが、無理は出来ない人たちの受け皿になりたい。それが、風門の確固たる存在理由である。

 

本日、現役バリバリの童子丸氏と60秒。ライトコンタクト・ボクシングルールで手合を行った。撮影の不備で、27秒程度しか撮れていないが、十分、輝いている。

 

56歳。フトワークが出来なくても、人は輝ける。そういうのに感動する人間が風門に集まれば良い。

 

小説「180秒の熱量」には、天と地ほどの差はあるが、市井に暮らす凡夫の「60秒の熱量」を風門は記録していく。