https://www.youtube.com/watch?v=VCWIcnBG100&t=52s
風門館平木選手と唐武会井上選手による事実上の準決勝。平木選手の勝ち。
当初、柏木選手を見るまでは、順当なら平木選手の優勝だろうと思っていた。平木選手。MMAスタイルのプロを目指して、頑張っている18歳の若者だ。
むろん、風門だけでプロになりたいと言ったら、ふざけるなと言うところだが、風門館は彼の稽古日程の中のほんの一部に過ぎない。
まじ、稽古漬けの毎日であって、プロになりたいと言うだけの努力を続けている。
対する井上選手。普通のサラリーマンで、今年、38歳。空手は色帯だが、柔道初段。
唐武会はフルコンベースだが、柔道もやるし沖縄古伝の型も打つ。その上で面突き有りにも挑戦する団体である。
柔道二段・ブラジリアン青帯・打撃歴・試合歴で圧倒するプロ志望の18歳。平木。
当然、平木選手が勝って当たり前だが、井上選手も善戦している。
これが、我々風門が目指す境地なのである。プロを目指し、毎日稽古をし、日曜日は、各種大会に出ている平木選手に対して、体重で10K重いとは言え、普通のサラリーマンが善戦する。この程度で十分ではないか?
それが、風門の目指すレベルである。
今は、プロの指導するKBやMMAスタイルのジムが私の住む田川でも、6箇所ある時代だ。本気でプロを目指すなら、当然、そういうジムで稽古をすべきだし、しないとなれないのはわかりきったことだ。
一方で、秘伝を謳う古流系も福岡には多い。達人になりたいならそういう師につくべきだろう。
だが、風門は、そのどちらも目指さない人のために開かれている。そもそも、<市井に暮らす凡夫>が、達人になる必要があるのか?
それが、半世紀武道修練を積んだ私の結論である。答えは簡単である。格闘技のプロも芸法の達人も、おいそれとなれる代物ではないからである。
しかし、生業を持ち、日々生活に追われる凡夫でも、万が一の際の防犯としての技芸は必要である。いや、必要だと考える人間のために私は風門を30年間守ってきた。
また、護身目的では無くとも、<身魂磨きの行>として武道修練を自分なりのペースで行いたいという人もいるだろう。
そういう人のために、私は、風門を開設し、今年も続けていく。平成が終わり令和2年となった今年4月で、風門は、31年目を迎える。
私は、私と同じような人間のために風門をつくった。怠け者で、臆病で、根性無し。
しかし、武道から離れられない。
そんな私のような人間でも生涯続けられる。しかし、ゆるいとは言え、へらへらできるような場所でもない。そう私の居心地の良い程度につくっている。
そして、常に、私と同じような人間が集まってくるよう宣伝も続けるだろう。
試合とは、関係の無い話になったが、プロを目指す若者と簡単には引き下がれないアマチュア草の根の意地のぶつかりあい。おもしろかった。
このわくわくどきどき感が競技武道の良さなんだろうと思う。
二人の健闘を讃える。風門館 福光雲母 拝。