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男たちの風門祭2019 君はリスクを取ったことがあるか?


第5回風門祭日本拳法道錬成大会 軽量級第三試合

 

https://www.youtube.com/watch?v=sVamSdiPGy0

 

男たちの風門祭2019 君はリスクを取ったことがあるか?

 

私は、41歳になる2週間前まで、現役で試合をしていた。1999年3月半ば。アクシオン福岡メインアリーナ中央に立つリングの上。九州全域から集まったアマKBの61k-級。それが、最後の試合となった。

 

その後、私は何をし始めたとかというと。やはり、別の場所で、リスクを取りに行くことになった。引退から、2年の後。01年5月30日・TOKYO市場で、マーケットの足軽端武者として何の知識も無くいきなりデビュ-。そこから今日に至るまで、ハラハラドキドキを日々味わう羽目となる。病気だよ。ったく。

 

根がチキンだから、競技武道時代と同じく、勝つことより死なないことを前提にやってる。NYのテロの暴落。03年からの上げ相場。リーマンショック。東北の大震災。安倍バブル。このことごとくに参陣したり、巻き込まれたり、逃げ遅れたり、吹き上げられたり。しかし、今日もまだ生き延びている。

 

性分だなと思う。競技武道時代の発想のまま、人生を過ごし、市井に暮らす凡夫としては、話すとけっこう波瀾万丈な生活を送っている。

 

だから、私は、評論家が嫌いだ。リスクを取ったことのない人間から指図されると虫ずが走る。

 

机上の空論は信じない。信じるのは、理論より。リアル。

 

競技武道は恐くて、20代を形稽古中心で、過ごし、何を血迷ったか31から競技武道・格闘技の世界に足を踏み入れた。確かに、そこは、文字通り弱肉強食のジャングルだった。生き延びるために知恵を絞り、技を磨き、肉体を鍛錬する。必死にならないとやっていけない。その感じが好きだったんだろうと思う。

 

しかし、リスクには許容度というものがある。今回の第5回風門祭。この軽量級第3試合エボルート小倉ジムの内藤選手の勇気を賞賛すると同時に、やはりマスク&プロテクターだから、成立する試合だと思っている。

 

禅道会熊本の松田選手。内藤選手も後々知っていくだろうが、九州では名の知れたリスクテイカー。軽量ながら、無差別でも平気で闘うので、以前から尊敬していた。

 

42歳・今大会最軽量で経験年数1年の内藤選手。対する松田選手39歳・67kと軽量ながらキャリアが違いすぎる。「他流試合の帝王」私がかってにつけたネーミングだが、当たらずとも遠からずの経歴の持ち主である。

 

こういう試合が成立するのも防具付きポイント&KOルールだからである。ここが、日本拳法道ルールの魅力だ。

 

激しくど突き合うが、やはり防具のおかげで、安全性が担保されている。しかし、相当痛い。6オンスグラブで、このマスクを叩くと、頭が金槌で叩かれたみたいに嫌な痛みを感じる。胴もけっこううっとくる。それに、道具はずれに対する攻撃は、背面以外全て可。ローキックとか、ばんばん蹴ることが出来るし、もちろんカットも本気。

 

やったことのある人なら分かると思うが、とにかく全身が痛い。

 

それをやったこともない格闘技フアンから、プロと比べてどうのこうのと言われると頭がおかしいんじゃないかと思う。

 

野球で、プロとアマチュアの草野球を比較する馬鹿はいないだろう。ところが、どうも武道を見る人の中に、変な幻想があるのか、プロとアマとの差が認識できていない場合があって、辟易する。

 

プロが凄いのは分かりきっている。見せて人に金を払わせるのがプロだ。厳しい世界で有り、アマの上に君臨するのは当然だろう。

 

だが、アマも、また厳しい。何しろプロと違い、アマチュアは金を払って出るのだ。一般的な相場だと6000円が多い。6000円だよ。もらうのでは無く、払って出るんだよ。しかも、怪我したら、全て自己責任だよ。

 

RIZINで佐々木ウルカと言う選手がアゴが折れた。本人のツイッターによると右で奥を折られ、アッパーで中を折られたとのこと。しかし、淡々とそれを書くから、やはりプロは違うと思った。

 

ちなみに、日本拳法道の福岡武道館大会でも、アゴが陥没したことがあった。また、アゴが折れたのを見たことがある。

 

金を払い、リスクを取って、さわやかに殴り合い、事故ったら、全て自己責任。

 

特に、アマの場合。仕事を失うかも知れないという最大のリスクを背負って、コートに上がる。よく「館長は大げさだ~あ~!!!」と言われるが、今回も一人鼓膜が破れた。

 

我々のようなアマでも、鼓膜やアバラの骨折は、怪我の内に入れない。足の骨が折れる・肘が折れる・後頭部を打つ・アバラが肺や内臓に刺さる・アゴが折れる・眼窩底骨折をする。こういう手術を必要とするような怪我が恐い。

 

その結果。失職となるともはや護身でも何でも無い。

 

実際に殴り合う。投げ合う。関節を取り合う。締めにいく。しかし、安全性は担保したい。この矛盾をどこでどうバランスするか?

 

その答えの一つが日本拳法乱取り競技法にあると考えている。

 

君はリスクを取ったことがあるか?と言う問は、同時に、護身目的の一般社会人でもリスクを取れる場を提供することと同義である。我々が、この日本拳法乱取り競技法を普及させたいと考えている最大の動機がそこにある。

 

風門の考えを理解し、ともにこのルールで、稽古・競技をしたいと言う団体・個人がおられましたら、是非お声をかけてください。

 

内藤選手・松田選手の健闘を讃える。2019・10・17 福光雲母拝。