年々歳々花相似 年々歳々、花相い似たり
歳々年々人不同 歳々年々人同じからず
不思議なことに、毎年、春になり、水仙の花を見ると、この詩句を思い出す。
仕事場の先輩だった人がが好きな詩句で、俺がその現場に着任した際の、迎えの言葉でもあった。
毎年、花は、同じ花を咲かせるが、人は、移ろいやすく、この世も常に変転している。
俺は、自分の人生を基本後悔しない人間だが、どういう訳か、この水仙の花を見ると、この詩句を思い出し、そして、己の来し方を思い返す。
で、何だろう。微妙なこの苦さは。春は、感傷的になる季節なのかも知れない。
四季美しいこの日の本は、春に卒業式があり、入学式があり、退職があり、配置転換があり、入社式がある。
別れと、出会い。全てが、桜色に思える。今となっては。
つぶやきたくなる季節なのかも知れない。花も散る。
人も、いずれ散る。ならば、どう生き、どう散れば良いのか?
答えある。迷いも無い。しかし、力は無い。だから、つぶやき続ける。
無力感・徒労感。疲れ果て、諦めかけて、辞めようとするのだが、また、その道に戻される。
笹舟だな。人の一生は。まあ、いい。もう61歳。令和まで、生き延びた。
後、20年。流されていくのもいいだろう。