新音丸の家に持って行ったバラ寿司と筍の煮付け。ちらし寿司のことを当地では、バラ寿司と呼ぶ。特徴は、鶏肉を入れることだ。
以前、秘密の県民ショーで。この豊前の郷土料理が紹介されたとき、周りが、驚いているのに、こちらが、驚いた。
他の土地の郷土料理を見るとき、私も、ありえんやろうと思っていたが、自分の土地の郷土料理が、世間からは有りえんと言われたときは、衝撃的に、えええ!なると思い知った。
九州豊前香春は、5月の3・4が神幸祭で、この鶏肉入りのばら寿司を必ず食べる。そして、その寿司の上に、錦糸卵と山椒の葉を散らす。
ここは絶対に譲れない。
だから、私の家では、常に山椒の木を常に植えている。
昨年の集中豪雨による、裏山崩壊のせいで、50年物の山椒の木を失ったが、若いのを含めれば、まだ、10本残っている。
山椒は、理屈を超えた宝で有り、次男もそこのところは、価値観が同じ。
母親の味を、ようやく妹が受け継ぎ、遜色のないところまで来た。そのうち、嫁が受け継いでくれると嬉しい。
嫁は肥前嬉野の出なので、この鶏肉入りのバラ寿司には、驚いていた。しかし、肉好きなので、ばりばり食べる。頼もしい。
福光党の芸法は拒絶した新音丸だが、福光党の食文化は受け継いでいる。そこら辺は、嬉しい。嫁も、鹿刺しも食べる、猪も好きという、頼もしい嫁だ。色白ではかなげな見た目と違って、さすが、桜花で特攻するところを終戦で、生き残った軍人の孫だけのことはある。
顔は優しいが、腹は据わっている。福光党の嫁にふさわしい。
何はともあれ、バラ寿司を食べさせて、安堵した。