福光派古術では、木刀・木剣のことを棒太刀と呼ぶ。もともとは、九州豊前香春岳に自生する琵琶の木で出来た重い自然刀を用いていた。
今は、琵琶の木を勝手に斬るわけには、いかないので、市販の剣道で使う素振り用木刀を使用している。
この、棒太刀を激しく打ち合って稽古する。その様を、荒振ると言って重視する。
形稽古とは言え、重い棒太刀を打ち合うため、気を抜くと一瞬で、手指など粉砕骨折しかねない。
従って、放っておいても、皆、武者顔になっていく。
また、棒太刀の打ち合う音が、厄を祓い、イヤシロチの浄化作用を持っていると考える流儀である。
芸法でもあり、行法でもあり、祈りの法でもある。
三法一致を、理想とする流儀である。