豊前福光派古術では、<気狂>という練法がある。
気が狂ったように立木打ちなどを行う行法である。
示現流や剣道の切り返し、係り稽古と同様である。無念無想。ただひたすらに雄叫びをあげながら、突貫訓練を行う。
そこには、高度な理論も理屈もない。
ただ駆け走り、駆け斬る。命を捨てて、天意に従う。
それを身に染みこませる。突き詰めれば、ただそれだけの行法である。
しかし、いざというときにそれが出来るのかというと難しい。
だから、福光派は徹底的にそれを脳髄まで落とし込む。
芸法修練の目的は、脊髄反射に落とし込むことにあるという、非常に分かりやすい流儀でもある。
また、このことを<雄荒振>と言う、<おらぶる>は、当地においては、、気勢を張るという意味で使う。また、同じく大声をあげることも言う。
<魂捨猪振る>の一つの示現であると思えば良い。
写真提供 「おやじの魅力」のおやじさん。<http://blogs.yahoo.co.jp/yasu1233jp>