体重の乗った面突きが、雷光一閃。顔面を襲う。緊迫の瞬間。
素面素籠手取りであるから、無論、顔面はノンコンタクト。しかし、ノンコンタクトは、コントロールが、難しい。
鼻が折れ、歯が吹き飛ぶ。そういう事故も当然起こる。それを、ぐずぐず言う人間を風門は求めない。第一、我々は、その程度は、怪我としては認識していない。 金がかかるから、コントロールせよと言っているだけである。
また、多少、顔に当たったからと言って、感情的になる人間。そういう人間も求めない。
護身の芸法として、速習性も考慮して、御更衣の時は、古術式の組み手を行う。
すべて、分かった上で、同士となる。そういう者を求めている。
他流に比べれば、いかほども無い程度だが、時として、勘違いしてくる人間がいるから困る。
古術は護身の芸法。形稽古を主として、手を練るが、それは、あくまでも、家業専一の、家守の芸であるからであり、おちゃらけた遊び半分で来てもらっても、困る。 武芸である以上、それなりの、厳しさ、怪我も起こりうる。
また、妙な、神秘的な武道として捉えられても困る。週一回、わずか、2時間。厳しく、<才ある者だけが残る現代競技武道>と比べて劣るのは当然である。
すべて、納得した上で、この流儀の門をくぐる者を。待っている。
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